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短期売買中心で方向感の定まらない相場展開に【クロージング】


23日の日経平均は小幅に反発。21.70円高の26171.25円(出来高概算10億8000万株)で取引を終えた。経済正常化への期待から内需関連株を中心に買われた一方で、欧米の積極的な金融引き締めに伴う景気後退への警戒から輸出関連は売られるなど跛行色の強い展開だった。ただ、市場参加者は限られるなかで短期筋の売買が中心であり、積極的に売り買いを仕掛ける向きも少ないだけに、前日の終値を挟んだ動きが続いていた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1100となり、全体の約6割を占めた。セクターでは、空運、食料品、保険、小売、陸運、電気ガスなど19業種が上昇。一方、海運、鉱業、非鉄金属、卸売、輸送用機器など14業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>、KDDI<9433>、中外薬<4519>がしっかりだった半面、信越化<4063>、塩野義<4507>、日立建機<6305>、電通グループ<4324>、トヨタ<7203>が軟化した。

注目されたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言は、景気後退に陥るリスクを認めたものの、データを見極めつつ柔軟に対応すると述べたため、さらなるタカ派化への懸念が後退。これを受けて米国市場は一時プラスに転じる場面も見られたが、終盤にかけて下げに転じた。東京市場も米株安を受けてやや売り先行で始まったものの、パウエル議長の議会証言を波乱なく通過したため、買い戻しの動きにつながり、日経平均の上げ幅は一時250円を超えた。ただ、米国では利上げによる景気への悪影響が警戒されているだけに、次第に様子見ムードが広がり、日経平均は26000円を支持線とした狭いレンジ推移だった。

本日もパウエルFRB議長の議会証言が行われるが、市場の関心は低いようだ。目新しい発言がない限り、材料視される可能性は低いだろう。また、欧米では6月の購買担当者景気指数(PMI)が発表される。金融引き締めによる景気減速への警戒感が拭えないだけに、インフレ動向がピークアウトしているのか確認したいところだ。一方で、国内では配当の再投資への期待感や大学ファンドによる買い出動期待も底流にあり、需給改善への思惑も残る。目先は強弱感が対立するなか、方向感の定まらない展開が続きそうだ。


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