NY債券：米長期債相場は強含み、早期利上げ観測は後退

27日の米国長期債相場は強含み。この日行われた米連邦準備制度理事会（FRB）のパウエル議長の講演では資産購入の縮小開始時期に関する新たな手掛かりが得られず、量的緩和策の早期縮小観測は後退したことから、長期債の利回り水準は低下した。利上げ時期が早まる可能性は低いとの見方も広がり、2年債利回りもやや低下した。パウエル議長は年次経済シンポジウムでの講演で、「米国経済は新型コロナウイルスの世界的大流行下での緊急プログラムを縮小する基準に向けて引き続き前進している」との認識を示した。債券買い入れ額の段階的な縮小については年内に開始されること適切との見方を示したが、具体的な時期については言及しなかった。10年債利回りは一時1.358％近辺まで上昇したが、取引終了時点にかけて一時1.299％近辺まで低下した。

イールドカーブは、主に中・長期間でフラットニング気配。2年−10年は＋109.50bp近辺、2−30年は＋170.40bp近辺で引けた。2年債利回りは0.22％(前日比：-2bp)、10年債利回りは1.31％（同比：-4bp)、30年債利回りは、1.92％(同比：-3bp)で取引を終えた。

＜MK＞