欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、110円台回復に失敗なら利益確定売り

28日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。米長期金利の持ち直しを背景に、ドルは上昇基調に振れやすい見通し。ただ、心理的節目の110円台回復に失敗すれば、ドルは3連休に向け利益確定売りが強まりそうだ。

米バイデン政権が近く公表する2022会計年度予算の歳出が、6兆ドル規模に拡大すると報じられた。また、米10年債利回りの持ち直しを受け、ドル買いが強まる場面もあった。前日はユーロ・ドルが1.22ドル付近で下押しされ、ドル・円は109円後半に浮上。本日アジア市場では、日本の緊急事態宣言の延長などで先行きの減速懸念による円売りが観測され、ドル・円は109円後半で底堅い値動きに。日経平均株価の強含みも、円売りを支援している。

この後の海外市場では、円売り継続でドルの110円台回復が予想される。また、今晩発表の米コアPCE価格指数が予想通り強い内容なら、連邦準備制度理事会（FRB)による緩和縮小への思惑が広がりやすい。その際には米10年債利回りの一段の上昇が見込まれ、ドルを押し上げる要因に。ただ、ドル・円は4月上旬以来の110円台回復が期待されているが、大台付近では売りが強まる見通し。110円台乗せに失敗すれば、ドルは3連休を前に利益確定売りに下押しされよう。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00　ユーロ圏・5月景況感指数（予想：112.1、4月：110.3）
・21:30　米・4月個人所得（前月比予想：-14.3％、3月：+21.1％）
・21:30　米・4月個人消費支出(PCE)（前月比予想：+0.5％、3月：+4.2％）
・21:30　米・4月コアPCE価格指数（前年比予想：+2.9％、3月：+1.8％）
・21:30　米・4月卸売在庫速報値（前月比予想：+0.7％、3月：+1.3％）
・22:45　米・5月シカゴ購買部協会景気指数（予想：68.0、4月：72.1）
・23:00　米・5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値（予想：83.0、速報値：82.8）
・バイデン米大統領が2022年度予算教書全容発表
・G7財務相・中央銀行総裁会議（オンライン）


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