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前場に注目すべき3つのポイント~バリューシフトの継続を見極め


11日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:バリューシフトの継続を見極め
■富士フイルム、2Q営業利益38.6%減 564億円、コンセンサス上回る
■前場の注目材料:積水ハウス、脱炭素の輪、「SBT」取得・再生エネ100%、調達先に働きかけ


■バリューシフトの継続を見極め

11日の日本株市場は、バリュー株へのシフトを見極めつつ、日経平均の25000円を固める流れが意識されそうである。10日の米国市場ではNYダウが262ドル高と上昇する一方で、ナスダックは159ポイント安と続落だった。新型コロナワクチンや治療薬開発期待を受けた景気見通しの改善で連日、ハイテク株から景気循環株に買い換える動きが続いた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比275円高の25225円。円相場は1ドル105円30銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなり、25000円を上回っての推移になりそうである。米食品医薬品局(FDA)は9日、米製薬大手イーライリリーのモノクローナル抗体薬「バムラニビマブ」について、新型コロナウイルス治療薬としての緊急使用許可を出したと発表。昨日のファイザーによる治療薬の有効性を材料視したグロースからバリュー株へのシフトが続く可能性がありそうだ。そのため、ギャップスタート後はバリュー株へのシフトを見極めながらのスタンスになろう。

マザーズ指数は25日線に上値を抑えられる格好から大きく調整をみせていたが、バリューシフトが継続するようだと、値ごろ感からの買いも入りづらく、利益確定の流れが続く可能性がある。個人の資金回転の速さから需給悪化はそれ程警戒されないとみられるが、センチメントを冷ますことにつながりそうである。そのため、強いトレンドが継続していた中小型銘柄へは短期筋のショートの動きも意識されやすく、しばらくは荒い値動きが目立ちそうである。

日経平均は25000円を固める流れから26000円を意識したスタンスに向かわせそうだが、バリューシフトが継続するようだと日経平均よりはTOPIX型優位の展開になりやすく、NT倍率の低下を意識した物色に向かわせる可能性がありそうだ。その他、国内で新型コロナウイルス感染症の拡大が警戒されてきやすく、感染防止に関連する銘柄への物色が再燃する動きも出てきそうである。


■富士フイルム、2Q営業利益38.6%減 564億円、コンセンサス上回る

富士フイルム<4901>は第2四半期決算を発表。営業利益は前年同期比38.6%減の564.71億円だった。コンセンサス(450億円程度)を上回る。あわせて2021年3月期業績予想の上方修正を発表しており、営業利益は従来の1400億円から1430億円に上方修正している。ヘルスケア事業のバイオ関連の伸びが寄与する。コンセンサス(1500億円程度)には届かず。


■前場の注目材料
・日経平均は上昇(24905.59、+65.75)
・NYダウは上昇(29420.92、+262.95)
・シカゴ日経225先物は上昇(25225、大阪比+275)
・1ドル105円20-30銭
・VIX指数は低下(24.80、-0.95)
・原油先物は上昇(41.36、+1.07)
・日銀のETF購入
・米経済対策への期待
・コロナ向けワクチン開発の進展


・積水ハウス<1928>脱炭素の輪、「SBT」取得・再生エネ100%、調達先に働きかけ
・兼松<8020>データ取引を新たな柱に、プラットフォーム構築
・ホンダ<7267>米で4輪再編、8子会社を新会社に集約
・KDDI<9433>目の前に100インチスクリーン、5Gスマホ向けスマートグラス
・IIJ<3774>セキュリティー対策パッケージ化、テレワーク向け
・住友化学<4005>核酸医薬100億円事業に、長鎖RNAを高純度生産
・デンカ<4061>大牟田で窒化ケイ素3割増強
・協和キリン<4151>高崎工場に分析施設、バイオ医薬品機能集約


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 10月マネーストックM3(前年比予想:+7.6%、9月:+7.4%)

<海外>
・10:00 NZ準備銀行が政策金利発表(0.25%に据え置き予想)

<ST>

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