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10月のくりっく365、トルコリラ・円は下げ渋りか


東京金融取引所(金融取)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」では、9月の取引数量は前月比21.9%増の208万5318枚、1日の平均取引数量は9万4790枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は4565億円と前月比で約10億円増加した。取引通貨量では、メキシコペソ、米ドル、トルコリラ、南アフリカランド、英ポンドの順となっている。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」では、9月の取引数量は前月比63.7%増の117万4906枚、1日の平均取引数量は5万3405枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は881億円となり、前月比で約4億円減少した。

取引数量トップはメキシコペソ・円の40万2845枚(前月比50.5%増)であった。メキシコ政府は9月8日、大型景気刺激策を盛り込まない緊縮型の2021年予算案を発表し、ペソは買われた。8月消費者物価指数が上昇したことも支援材料となり、利下げサイクルの終了も期待されたが、メキシコ中央銀行は24日に11会合となる利下げを決定し、ペソは売られた。南アフリカランド・円は26万7982枚(前月比86.7%増)であった。利下げ予想もあるなか、17日に政策金利が据え置きと発表されたことがランド買いにつながる場面がみられた。しかし、月末にかけて欧州の新型コロナウイルス感染症の感染再拡大を背景にリスクオフムードが広がり、ランド売り優勢の展開につながった。

10月のトルコリラ・円は下げ渋りか。9月24日にトルコ中央銀行が政策金利を2ポイント引き上げるというポジティブサプライズがあり、リラはやや反発した。しかし、ナゴルノ・カラバフでの紛争が再燃し、トルコがアゼルバイジャンを支持表明したため、地政学的リスクが意識され、再びリラは売られた。現在のところ、停戦の見通しは不透明であるが、もし事態の鎮静化が見られれば、リラ・円は下げ渋る展開となるだろう。ユーロ・円は弱含みか。欧州における新型コロナウイルスの感染再拡大による経済制限措置の強化を受け、ユーロ圏経済の早期回復は難しくなっており、ユーロ売りに振れやすい展開となりそうだ。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の金融緩和の拡大余地示唆やユーロ高けん制発言もユーロ売り材料となるだろう。ただ、欧州各国で経済への影響を考慮しロックダウンは極力避けた対策を講じている点はユーロの下支えとなる可能性がある。




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