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財政政策への期待から、いったんは自律反発といった見方に【クロージング】


10日の日経平均は反発。168.36円高の19867.12円(出来高概算25億7000万株)で取引を終えた。9日の米国市場でNYダウが2000ドルを超す過去最大の下落幅を記録。ヨーロッパ各国の株価指数も軒並み急落する中で、これにサヤ寄せする格好から売りが先行し、一時18891.77円と19000円を割り込む局面もみられた。米国では、すべての株式売買を一時停止する措置(サーキットブレーカー)が発動したこともあり、より不安心理を高める格好となった。

ただし、トランプ米大統領が9日に新型コロナウイルスの労働者や中小企業への悪影響を緩和する目的で政権が計画している経済対策に関し、10日に記者会見を開くことを明らかにした。同大統領は経済対策が「非常に劇的」なものになろうと述べており、財政政策を期待した先物主導による自律反発狙いの流れに向かった。グローベックスの米株先物の上昇も支援材料となる中、日経平均は先物主導で切り返しをみせており、一時19970.35円と2万円に迫る展開。日中値幅は1000円を超える展開だった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1600を超えており、全体の7割を超えている。セクターでは、証券、不動産、倉庫運輸、鉄鋼、サービスが上昇。一方で、鉱業、海運、石油石炭が冴えなかった。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、アドバンテスト<6857>、アステラス薬<4503>、エムスリー<2413>が堅調。

日経平均は朝方の800円を超える下落局面からの切り返しにより、いったんは19000円割れ水準で底打ちが意識されやすいところであろう。株価の急速な切り返しによって円相場は1ドル105円台をつける修正をみせていたことも、短期筋の買い戻しなどを誘った感はある。また、水準としては2018年12月安値とのダブルボトム形成が意識されてくるところでもあった。

目先的には各国の財政政策への期待感が高まりやすく、急ピッチの下げに対する自律反発が意識されやすいだろう。しかしながら、日中値幅が1000円を超える状況であり、依然としてボラティリティの大きいこともあり、積極的な資金流入は期待しづらいところである。新型コロナウイルスの感染拡大による影響も依然として見極めづらい状況であるため、いったんは自律反発といった見方にとどまりそうである。




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