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薬味多めで:三菱UFJリース<8593>を徹底企業分析【FISCOソーシャルレポーター】


以下は、フィスコソーシャルレポーターの薬味多めで氏(ブログ「個人投資家最前線」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2020年1月21日7時00分に執筆


おはようございます。薬味多めでです。

20期連続増配を続けている銘柄として前回紹介した三菱UFJリース<8593>ですが、今回は同社が長期的に保有できる銘柄かどうか、徹底的に調べていきたいと思います。

■会社概要

同社は1971年に設立。2019年9月末時点で従業員数はグループ全体で3,230名を有し、国内外に70以上の拠点を展開しています。

三菱UFJリース<8593>が手掛ける事業分野は、ファイナンスリースなどの提供を行う「国内カスタマービジネス」「海外カスタマービジネス」のほか、資産管理などのサービス対応を手掛ける「設備・サービス」、「不動産」、「ヘルスケア」、「環境・エネルギー」、「インフラ・企業投資」、「航空・ロジスティクス」と幅広く展開しています。

■注目している基本の3項目

私は個別株に投資する際に、はじめに下記の3つのポイントに適合しているかどうかをチェックします。

1)主力製品、サービスに意義があり、実需が存在する実業である事、つまりは、主観的に好感が持てる商売をしていること。
2)業界が右肩上がりであること、または、高いレベルで安定している事。つまりは、売り上げと利益増が今後も見込めること。
3)株主還元スタイルを取っていること。

リースの仕組みは、金融の側面とサービス業の側面を併せ持っているような取引形態となっています。国内市場は頭打ち状態と見られており、大手を中心にインフラやエネルギーを中心に海外需要の積極的な取り込みを図っています。海外需要をうまく取り込むことが出来れば、これまで以上に市場規模の拡大は可能なのではないでしょうか?

また、株主還元策に関しても、同社は積極的な還元策を採用しています。こうした事から、同社は、上記3条件全てあてはまると考えました。

■業績・財務についての分析

▽連結業績の推移(単位は百万円)
決算期/売上高/営業利益/経常利益/当期純利益
17.3/838,886/79,112/84,731/53.157
18.3/869,948/79,285/86,177/63,679
19.3/864,224/80,371/87,605/68,796

増収増益が続いています。今期(20.3期)は上期(2019年4-9月)で経常利益が通期計画に対する進捗率58.9%となっています。3Q決算は、2月13日に発表予定となっております。

▽自己資本とROE(19.3期時点)
自己資本:7542.19億円
自己資本比率:13.0%
ROE:9.4%

自己資本比率は一見すると低く見えますが、リース関係の会社は一般企業と比べると自己資本比率は低くなる傾向にあるようなので懸念しなくてもよさそうです。また、一般的にROEは10%以上が目安とされているので、もう一息というところでしょうか。

▽PERとPBR、ミックス係数(1月20日終値で計算)
PER(20.3期会社予想):8.94倍
PBR(19.3期実績):0.83倍
ミックス係数:7.42

目安となる基準のPBR1倍以下、PER15倍以下、ミックス係数11.25以下をそれぞれクリアしているので、同社株式は割安だと言えそうです。

▽キャッシュフロー(CF、単位は百万円)
決算期/営業CF/投資CF/フリーCF
17.3/-220,251/-28,865/-249,116
18.3/-50,751/-31,962/-82,713
19.3/-239,403/-34,063/-273,466

営業キャッシュフローが赤字となっていますが、これはリース業界(金融業界)の特徴であるようです。順調にリースサービスが拡大していく段階では貸付残高が増えていくので営業キャッシュフローはマイナスとなります。逆に営業キャッシュフローがプラスの状況になっている場合には、回収に走っており貸付残高が縮小している(=将来的に利益が減少する)と捉えられます。そのため、同社のキャッシュフローは健全だと考えられます。

▽配当利回りとEPS、株主優待
19.3期の年間配当は1株あたり23.50円。20.3期の配当は1株あたり25.00円と予想されていますので、1月20日終値703円で計算すると、配当利回りは3.56%となります。株主優待はないようです。

■買いか?売りか?様子見か?

ここまで分析を行ってきましたが、個人的には現時点で買いたい銘柄だと考えています。

現時点の配当利回りも高い水準、ミックス係数は低い状態です。リース業界は国内の事業環境は好調の上、東南アジアへの進出でさらに市場拡大の余地が高いと見ています。同社の目標としている配当性向30%以上を既に達成している点は連続増配の観点からは気になりますが、利益を伸ばしこの水準をもう少し引き上げるだけの余力はあるのではないかと見ています。次に仕込むタイミングをじっくりと待ちたい銘柄です!


毎日執筆中のブログでは、チャート画像付きで株式市場で注目されているテーマ株や個別株などの分析を行っています。

一度ブログの方も覗いて頂けますと幸いです。

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執筆者名:薬味多めで
ブログ名:個人投資家最前線




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