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後場に注目すべき3つのポイント~米中合意の期待高まり受けて一時24000円に迫る


13日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は大幅続伸、米中合意の期待高まり受けて一時24000円に迫る
・ドル・円は大幅高、英総選挙の保守党圧勝で円売り優勢
・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>

■日経平均は大幅続伸、米中合意の期待高まり受けて一時24000円に迫る

日経平均は大幅に続伸。569.78円高の23,994.59円(出来高概算10億9500万株)と大きく年初来高値を更新して前場の取引を終えた。前日の米国市場では、トランプ大統領が米中合意を示唆するツイートを行ったほか、米国が中国に対して15日に予定される追加関税の中止と既存関税措置の減額を提案したことが伝わり、米中協議の進展期待から買いが広がった。為替も1ドル=109円50銭前後までの円安水準となり、本日の日経平均は朝方から大幅高となり、12月SQ値23895.88円を軽々超えた後は上げ幅が500円超となり、その後も高値圏での推移となった。なお、高値は23998.99円で、節目の24000円を窺う場面があった。

セクターでは、銀行、非鉄、機械、海運、精密機器などを筆頭に全業種がプラス圏での推移となった。売買代金上位では、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>といった日経平均高構成比銘柄のほか、東エレク<8035>や信越化<4063>などの半導体関連、村田製作所<6981>、キーエンス<6861>といったその他の電子部品セクターらを筆頭に全面高商状となった。米長期金利の上昇を受けて、三菱UFJ<8306>などの大手金融株も久々の大幅上昇となった。

15日発動予定の対中関税第4弾の延期については相当程度に織り込んではいたが、既存関税措置の減額まで示唆されたことで、市場は本番15日を前に大きくポジティブに反応する格好となった。また、トランプ米大統領は12日、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表やムニューシン財務長官らを集めて対中政策を協議し、米中は10月の閣僚級協議で、農産品や為替問題などに絞った「第1段階の合意」を目指すことで一致したという。中国側と最終的に合意できれば、13日にも文書に署名して発表するとのこと。その他、12日投開票の英下院総選挙の出口調査で、ジョンソン首相率いる与党・保守党が過半数を大幅に上回る見通しと伝わったことで先行き不透明感が払しょくされたことも影響したようだ。

こうしたなか特に注目すべきはやはり半導体であろう。フィラデルフィア半導体株指数は連日の大幅上昇で年初来高値を更新。台湾の半導体受託大手TSMCが10日に発表した月次売上高も堅調だったことで同社の株価も連日での上場来高値更新。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)によれば、2019年7-9月期の半導体製造装置の世界出荷額は前年同期比では6%減であった一方、四半期ベースでは4-6月期から12%増と底入れ感が出てきている。2020年の見通しも、販売額が前年比5.5%増と回復見通しだ。昨日発表された機械受注は前月比6.0%減とプラス予想値を下回る結果だったが、こちらも中身をみてみると、半導体セクターが含まれる電気機械は前月比5.7%増と4ヵ月連続での改善となり、半導体市況の底入れ感が確認できる。

ただ、本日取引開始前に発表された日銀短観では、大企業・製造業の業況判断(DI)は0と、こちらも市場予想を下回る結果だった。他の経済指標などをみても、まだまだ製造業全体としては力強い回復の兆しは感じられない。先んじて回復基調をみせている半導体については、関連株は市況回復を先取りする形で総じて高値圏にあり、ここから積極的に手掛けていくには躊躇する段階で、もう一段の具体的な材料が欲しいところだ。15日に実際に既存関税措置の減額など踏み込んだ内容が出るのかを確認したい。なお、全面高商状のなか、唯一マザーズ指数だけが下落しているが、実態としては、これは指数インパクトのない直近IPO銘柄に資金が集まっているためで、個別でみればIPO銘柄中心に中小型株物色の流れも引き続き活発とみられる。来週以降、米中間に実際に具体的な進展がみられれば、本日の全面高商状にも一層の勢いがつき、本格的な年末ラリーとなろう。


■ドル・円は大幅高、英総選挙の保守党圧勝で円売り優勢

13日午前の東京市場でドル・円は大幅高。12日に行われた英総選挙で保守党の圧勝がほぼ確実になり、リスク選好的な円売りが主要通貨を大きく押し上げた。

現地の出口調査によると、英保守党は全650議席中380超を獲得する勢いで、圧勝が確実視される。それを受け、リスクオンのムードが広がり円売りが優勢に。ドル・円はポンド・円の上昇に追随し109円50銭台に浮上した。

ランチタイムの日経平均先物は強含み、日経平均株価の後場24000円台回復を期待した円売りが観測される。ただ、今週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC
)でのハト派的な政策姿勢が、ドルの一段の上昇を抑えているようだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円99銭から109円57銭、ユーロ・円は121円50銭から122円58銭、ユーロ・ドルは1.1129ドルから1.1199ドルで推移した。


■後場のチェック銘柄

・シャノン<3976>、フロンティアインターナショナル<7050>など、5銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・英総選挙(出口調査)
「保守党が過半数確保の見込み」

【経済指標】

・日・12月調査日銀短観・大企業製造業DI:0(予想:3、9月:5)

・日・12月調査日銀短観・大企業非製造業DI:18(予想:16、9月:15)

・日・12月調査日銀短観・大企業全産業設備投資:前年度比+6.8%(予想:+6.0%、9月:+6.6%)


<国内>
・13:30 10月鉱工業生産確報(速報値:前月比-4.2%)

<海外>
特になし



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