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重要イベント通過後のアク抜けを意識した、押し目拾いのスタンス【クロージング】


10日の日経平均は4日ぶりに小幅反落。20.51円安の23410.19円(出来高概算10億4700万株)で取引を終えた。米国市場同様、連邦公開市場委員会(FOMC)や、15日に期限を迎える対中追加関税措置の発動可否を見極めたいとの思惑から、様子見姿勢の強い相場展開となった。シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売りが先行するも、その後はプラス圏を回復するなど、前日の終値を挟んでのこう着感の強い相場展開が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数がやや上回っているが概ね拮抗。セクターではその他製品、医薬品、水産農林、情報通信、繊維がしっかり。半面、電力ガス、パルプ紙、輸送用機器、陸運、鉄鋼が小安い。指数インパクトの大きいところでは、第一三共<4568>、アドバンテスト<6857>、中外薬<4519>、セコム<9735>が上昇。一方で、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、エーザイ<4523>が冴えない。

日経平均は引き続きこう着感の強い相場展開となったものの、想定内の値動きでもあり、不安視する流れにはならなかった。指数インパクトの大きいファーストリテやソフトバンクG<9984>が軟調な中でも日経平均は下へのバイアスが強まらない状況であり、どちらかというと底堅さが意識されている。

FOMCでは利下げ打ち止めがコンセンサスであり、結果を受けた米国市場の動向に振らされたとしても、基本的には15日に期限を迎える対中追加関税措置の発動可否を見極めるなかで、反応は限られるだろう。また、週末には先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えていることもあり、ロール中心の売買になりやすい。SQ前で大きく仕掛けてくる動きは考えづらく、下へ仕掛けてくるというよりは、足元の需給状況からはカバーを伴う上へのトレンドが意識されてこよう。

また、IPOラッシュによって中小型株の一角へは利益確定の動きもみられているが、IPOの好スタートが続くようだと、換金資金が他の中小型株へ波及する形で流入する可能性もあるため、相対的に出遅れ感の強い銘柄などへは、年末に向けた先高期待から見直す流れにも波及してくる展開が期待されるところでもあろう。重要イベント通過後のアク抜けを意識した、押し目拾いのスタンスとみておきたい。



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