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欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、米中協議にらみ米当局者は慎重姿勢


14日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想したい。米中貿易協議の先行きに不透明感が増し、やや円買い方向に振れやすい。米インフレ改善は好感されるものの、当局者は金融政策に慎重な姿勢を示すとみられ、ドル買い戻しは限定的となりそうだ。
前日注目された米国の消費者物価指数(CPI)は予想を上回り、連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ観測は後退。その後のパウエルFRB議長による議会証言は、政策金利に関し当面の据え置きを示唆する内容となった。半面、成長見通しが鈍化すれば利下げ再開の見方も示しており、ドル相場への影響は限定的に。本日のアジア市場で、ドル・円はやや値を下げる展開。本日午前中に発表された中国の鉱工業生産や小売売上高が弱く、豪ドル・円などクロス円で減速懸念の円買いが目立ち、ドル・円は108円60銭台に値を下げる展開となった。

この後の海外市場では、米追加利下げ観測の後退を背景にドルの買い戻しが見込まれるものの、戻りは鈍いだろう。報道によると、第1段階の合意に向け調整中の米中貿易協議は、米国主導を強調するトランプ政権に対し中国側は米国産農産物の輸入をめぐり抵抗しているもよう。相互に発動した関税の撤廃に関しても方針の違いは明らかで、両国の摩擦解消に向けた過度の期待は後退。パウエル議長をはじめ今晩も複数の当局者による発言が予定されているが、目先の金融政策に関しては慎重にならざるを得ず、ドル・円は108円半ばから後半での停滞が続きそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・10月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.2%、9月:0.0%)
・19:00 ユーロ圏・7-9月期GDP改定値(前年比予想:+1.1%、速報値:+1.1%)
・19:30 クオールズ米FRB副議長あいさつ(録画ビデオ、保険関連会合)
・22:30 米・10月生産者物価指数(前月比予想:+0.3%、9月:-0.3%)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.5万件、前回:21.1万件)
・23:00 クラリダ米FRB副議長講演
・23:10 エバンス米シカゴ連銀総裁講演(フィンテック関連)
・24:00 パウエル米FRB議長が下院予算委員会で証言(経済について)
・01:45 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁開会あいさつ(アジア経済政策会議)
・02:00 ウィリアムズNY連銀総裁講演(アジア経済政策会議)
・02:20 ブラード米セントルイス連銀総裁が昼食会出席(米国経済と金融政策)
・03:00 カプラン米ダラス連銀総裁講演(地域フォーラム)





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