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目先達成感意識も依然ショートポジションの巻き戻し中心【クロージング】


29日の日経平均は続伸。106.86円高の22974.13円(出来高概算13億2000万株)で取引を終えた。トランプ大統領が米中協議の合意について楽観的な見方を示したほか、欧州連合(EU)が英国のEU離脱期限の延長を認めたことが材料視され、28日の米国市場ではS&P500が最高値を更新。この流れから買いが先行する中、日経平均は寄り付き直後に一時23008.43円と昨年10月以来となる、節目の23000円を回復する局面もみられた。ただし、日経平均の23000円到達で目先的な達成感が意識されたほか、今年3度目の0.25Pt利下げが予想されている米連邦公開市場委員会(FOMC)を見極めたいとする模様眺めムードもあってか、その後は狭いレンジでのこう着が続いた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは、その他金融、非鉄金属、精密機器、鉄鋼、保険、ガラス土石、銀行、輸送用機器が堅調。半面、空運、電力ガス、陸運、小売、倉庫運輸が小安い。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、日東電<6988>、信越化<4063>、KDDI<9433>、オムロン<6645>が堅調。一方で、ファーストリテ<9983>、エムスリー<2413>、バンナムHD<7832>、アドバンテスト<6857>、ファナック<6954>が冴えない。

日経平均は7営業日続伸で昨年10月以来の23000円を回復した。節目を回復したほか、10月半ば以降の強いリバウンド基調を背景に、目先的には達成感が意識されやすいところであろう。しかしながら、総強気ムードからの上昇ではなく、期待先行で買っているとも一部では聞かれているが、期待先行ではないだろう。これまでの弱気センチメントからポジションはロングには傾いておらず、米中交渉の進展期待他、英国のブレグジット問題については来年に先送りとなる中で、ショートポジションの巻き戻しが継続している。

本格化する決算後の反応をみても、前日に高値更新後に下げに転じていた信越化<4063>はリバウンドをみせており、日東電<6988>はアク抜け的な動きをみせている。ファナックはマイナスだったが、それでも日中の高値水準で取引を終えるなど、底堅さが意識されている。今後は決算がピークを迎えることで個別でのウォッチは難しくなり、次第に模様眺めムードが強まりや牛だろうが、押し目拾いのスタンスが強まりやすいとみられる。



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