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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、年初来高値視野も日米通商協議に警戒


15日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。材料難のなか株高や長期金利の上昇を手がかりとしたドル買い、円売りで年初来高値が視野に入った。ただ、本日から開催される日米通商協議での為替条項議論への警戒感もあり、円売りは弱まりそうだ。

前週末の海外市場は、堅調な米国の3月輸入物価指数や株高を背景としたドル買い、円売りが強まり、112円台を維持して取引を終えた。足元で発表された中国の経済指標が堅調な内容となり、中国を起点とした世界的な景気減速への懸念はいったん収束したとみられる。週明けのアジア市場でもリスク要因の後退から、やや円売り方向に振れやすい展開となっている。また、中国株も前週末の終値を大きく上回る水準となり、欧米株のプラス圏での推移が続けばリスク選好ムードが高まり、円売り基調は維持されそうだ。

この後の欧米市場では米国の4月NY連銀製造業景気指数の発表が手がかり。同指数はISM製造業景況指数の先行指標とみられ、予想以上に強い内容となれば米国経済の減速への警戒が和らぎドル買いが強まる見通し。ただ、昨年以降は値動きの乏しいドル・円が前週は2営業日で約1円も値を上げ、上昇ピッチの速さが指摘される。年初来高値の112円14銭は視野に入ったが、利益確定などのドル売りに押されそうだ。また、本日からワシントンで開催される日米通商協議では通貨安政策を封じる為替条項が議論される可能性から、円売りが抑制されればドル・円に下押し圧力がかかりやすい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・4月NY連銀製造業景気指数(予想:8.0、3月:3.7)
・02:00 エバンス米シカゴ連銀総裁講演(米国経済と金融政策、NYビジネス経済協会)
・05:00 米・2月対米証券投資(1月:ネット長期有価証券-72億ドル)
・米財務省の半期為替報告書の議会への提出期限
・日米通商協議(16日まで、ワシントン)




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