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過去最高となった中央銀行の金需要~もっと知りたい商品先物取引(高井ひろえ)


みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。以前の記事で、金価格が5か月以上にわたって上昇を続けていることをご紹介しました。そしてこれからも上昇していくかもしれない理由として挙げたのは、(1)米国の利上げ停止が示唆されたこと、(2)米国の政権運営の不安定化でドル安になりやすくなっていること、そして(3)中国の不動産バブル崩壊への懸念でした。この金価格は短期的に見るとここ5か月間のように上がったり、逆に下がったりすることもあるわけなのですが、直近8年間という長い目で見ると、右肩上がりの上昇トレンドとなっています。今回は8年間、金が買われている理由を考えてみたいと思います。

■価格上昇を支える中央銀行の買い需要
金価格の上昇を支えているのは中央銀行の旺盛な金買いです。なんと去年の中央銀行の買い需要は1970年以来、最高水準になっています。この中央銀行の金買いは約8年間ずっと続いています。一方、その前の20年間は逆に金が売られていました。なぜなら、この20年間にあたる1980年代、90年代はドル安誘導策であるプラザ合意を挟むものの、いまよりもドル(アメリカ)が強い時代で、各国は「何か経済的な危機が起こったとしても、ドルを持ってさえいればその価値は下がりにくいので安心だ」と考えていたからです。したがって、金の魅力がドルに比較して落ちてしまったのです。金もドルも安全資産とみられているならば、金利がもらえるドルの方が魅力は高いですよね。そのため外貨準備としての魅力が落ちた金は売られる展開になっていました。

■ドルから金へ
ところが、今まで強力な地位を誇ってきたドルへの信頼が失われる事態が起こります。2008年のリーマンショックです。またその後に起こったギリシャ危機をきっかけにユーロへの信頼も低下し、各国の中央銀行は外貨準備にあたって「ドルやユーロだけではなく、金にも分散して投資をした方が良いのではないか!」と思い始め、金が買われました。この流れが、今も続いているというわけなのです。今の金市場では、年間平均約500トンが買われています。過去においては年間約400トン売られていました。市場に出回っている金は全体で4000トンですので、金の売買動向は大きく変化したといえます。

次回以降のコラムでは、各国の中央銀行が金を買っている理由について詳しく掘り下げていきます。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ





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