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2月のくりっく365、ドル円は小動きの続く展開か


東京金融取引所(金融取)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」では、1月の取引数量は前月比17.4%増の283万1223枚となった。一方で、1日の平均取引数量は12万8693枚と前月比で小幅に増加し、月末時点の証拠金預託額4631億円と前月比で約18億円減少した。取引通貨量では、米ドル、トルコリラ、豪ドル、英ポンド、南アフリカランドの順となっている。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」では、1月の取引数量は前月比38.6%減少の36万9322枚。1日の平均取引数量も1万6789枚と前月比で減少し、月末時点の証拠金預託額は658億円と前月比で約2億円減少した。

1月の米ドル・円は、取引数量トップの646,029枚(前月比4.3%減)であった。年末年始の株安による混乱は連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め停止への思惑が広がり収束し、リスク回避の円買いは後退。同月下旬にかけて心理的節目である1ドル=110円までの戻りを試す展開となったものの、同水準を回復するには新たな材料が乏しく、109円台でのもみ合いが続く形となった。他方、英国では欧州連合(EU)が離脱協議再開に応じる可能性が指摘され、合意ない離脱回避期待にいったんポンド買いが強まる場面もみられた。しかし、ユンケル欧州委員長がメイ英首相に「再交渉は除外すると伝えた」と伝わったほか、EU離脱延期案も英下院で否決となり、離脱の行方にさらなる不透明感が広がったことからポンド売りは加速した。その結果、英ポンド・円の取引数量は前月比41.8%増の252,100枚に。なお、「くりっく株365」では、国際通貨基金(IMF)による世界経済見通し下方修正や過去最長の米連邦政府機関閉鎖による混乱などを受けて積極的な売買を手がけにくい状況が続き、全項目における取引数量は前月比・前年同月比でともに減少する格好となった。

2月のドル・円は、上値の重さが意識されそうだ。米中貿易問題を巡っては、米ホワイトハウスが8日、閣僚級協議を14-15日に北京で開くと発表した。市場関係者の間では、「協議は難航する」との見方もあり、懸念材料として意識される場面もあろう。協議の先行き不透明感が増すとリスク回避のドル売り、円買いが優勢となるとみられるうえ、15日までにメキシコ国境の壁建設費用に関して上下院で合意できなければ、再び政府機関の閉鎖に突入することになる。公務員の給与未払いや主要空港の一時閉鎖など混乱が予想され、政権運営の先行き不透明感が強まるだろう。トランプ大統領は国家緊急事態宣言の発動で議会承認なしに壁を建設することも検討しており、仮に実行されれば、政治的かつ法的な緊張を生むことになる。これらの状況下、ドル円相場は2月初旬にかけて1ドル=110円を回復したものの、現状はこの水準を大きく上抜けて一段とドル買いが強まるシナリオは考えにくいとみられる。




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