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来週の相場で注目すべき3つのポイント:貿易摩擦、米雇用統計、メジャーSQ



■株式相場見通し

予想レンジ:上限21500-下限20500円

来週は不安定な相場展開が続きそうである。まずは、4日に行われたイタリア総選挙のほか、ドイツではメルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)陣営と、社会民主党(SPD)との大連立合意の最終関門となるSPDの党員投票の結果を受けた市場反応から始まろう。欧州リスクが後退することで、いったんは自律反発も意識される可能性に期待したいところである。米国ではトランプ米大統領の新関税措置が引き続き市場の混乱要因になることが警戒される。2日の米国市場ではNYダウは続落となったが、ナスダックは半導体関連が買われており、4日ぶり反発で同指数は25日線を回復。欧州不安が後退するようであれば、一先ず自律反発が意識されやすいだろう。

もっとも、今週は週末9日に2月の米雇用統計が発表される。1月は非農業部門雇用者数が前月比20万人増、平均時給は前年比2.9%上昇した。平均時給の上昇等がコンセンサスを上回ってくるようだと、利上げ加速への思惑等につながることになる。金融正常化に向けた思惑等が強まり、これが世界の金融緩和政策によって数年間積み上がっていた資金の流れの変化につながる。また、2月のVIXショック以降は落ち着いているが、足元ではVIX指数が再び危険水域とみられている20ptを上回ってくる場面もみられている。VIXショックで一気にポジションが解消されたとは考えづらく、もう一段の波乱の展開も警戒しておく必要があろう。週末には先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)も控えている。日経平均の2万円割れは意外とあっさりついてしまう可能性はありそうだ。

一方で、主要指数のトレンドが悪化する中、中小型株には逆行高をみせる銘柄が散見される。VIXショック時の急落によって個人の需給整理は一気に進んでおり、現在はキャッシュポジションを高めていると考えられる。そのため、外部環境に左右され難い中小型株等へは資金が向かいやすいだろう。好業績銘柄や成長性の高いテーマ株等への物色は根強いとみておきたい。

なお、海外投資家の売買動向については、2月3週(19-23日)は現物株と先物合計の売買だ5147億円の売り越し(前週は5535億円の売り越し)となった。一方で個人は771億円の買い越し(同510億円の買い越し)だった。なお、海外投資家の売り越しは7週連続となり、年初からの売り越し額は5.4兆円になっている。先物市場でではゴールドマン・サックスのTOPIX売りが話題となっているほか、欧州系証券によるショートポジションへの思惑等も市場関係者の中で話題にあがっており、引き続き先物主導によるインデックス売買による影響には警戒が必要であろう。


■為替市場見通し

来週のドル・円は2月米ISM非製造業景況指数、1月貿易収支、2月米雇用統計などの経済指標が有力な売買材料として注目されそうだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB議長)の議会証言を受けて市場は3月の追加利上げを完全に織り込んでおり、主要経済指標が予想に沿った内容だった場合、市場が顕著に反応する可能性は低いとみられる。米トランプ政権による鉄鋼・アルミ製品の輸入制限措置などの保護主義的な通商政策はドル安要因になるとの見方が依然として多いようだ。

トランプ大統領は鉄鋼製品やアルミニウム製品の輸入に高率の関税を課す措置を打ち出した。詳細は今週公表されるが、米国の保護主義的な行動は貿易相手国との通商関係を悪化させるだけでなく、世界経済の順調な成長を妨げる一因になるとみられており、リスク回避的なドル売りを促す可能性がある。


■来週の注目スケジュール

3月 5日(月):中財新総合PMI、ユーロ圏小売売上高、全人代など
3月 6日(火):豪小売売上高、米製造業受注など
3月 7日(水):米ADP雇用統計、米貿易収支、ベージュブックなど
3月 8日(木):10-12月GDP改定値、金融政策決定会合、ECB政策金利など
3月 9日(金):黒田日銀総裁会見、中消費者物価指数、米雇用統計など





<TM>

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