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新興市場見通し:中小型株も積極姿勢後退、そーせいなど決算本格化で個別対応へ


先週の新興市場は、相場全体の地合いに振らされ、荒い値動きとなった。米金利上昇などを背景に日経平均は大きく下落する場面が多く、新興市場でも個人投資家の積極姿勢が後退して全般に売り優勢だった。週半ばには戻りを試す展開となったが、週末にかけて再び売りに押され、マザーズ指数、日経ジャスダック平均とも週間でマイナスとなった。物色は個別材料を手掛かりとして一部銘柄に集中する格好となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.5%であったのに対して、マザーズ指数は-2.0%、日経ジャスダック平均は-0.7%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で0.3%安にとどまったが、サイバーダイン<7779>が同5.3%安、そーせいグループ<4565>が同4.6%安とマザーズ時価総額上位は全般軟調だった。サンバイオ<4592>やティーケーピー<3479>などの準主力株も同様だった。また、従前に人工知能(AI)関連として人気化したディジタルメディアプロフェッショナル<3652>(DMP)は手仕舞い売りがかさみ、週間のマザーズ下落率トップとなった。直近IPO銘柄のみらいワークス<6563>も下げが目立った。反面、フィル・カンパニー<3267>は定款変更や一部報道で事業拡大期待が高まり、上昇率トップとなった。ロードスターキャピタル<3482>も「不動産テック」関連として人気だった。ジャスダック主力はハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同0.5%安、セリア<2782>が同3.6%安となるなどおおむね軟調だった。ただ、エン・ジャパン<4849>は2.6%高となり、人材関連銘柄が比較的堅調だった。また、直近で株価急伸していたワイエスフード<3358>やエムケー精工<5906>が利益確定売りに押され、週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、セコム<9735>との業務提携を発表したアール・エス・シー<4664>や、宇宙関連などとして関心を集めたニチダイ<6467>は大きく値を飛ばした。

今週の新興市場も、相場全体の地合い睨みで神経質な展開が続きそうだ。金融緩和後退への思惑や米長期金利の上昇圧力の強まりにより、世界的に株高一服の流れとなるなか、中小型株についても積極姿勢には転じにくいだろう。新興市場でも今週から主力企業の決算発表が本格化するため、個別対応が中心の展開となりそうだ。

今週は、2月5日にアドウェイズ<2489>、ジーンテクノサイエンス<4584>、6日にビーマップ<4316>、UEX<9888>、7日にそーせい、グレイステクノロジー<6541>、ジャパンエレベーターサービスHD<6544>(JESHD)、ヴィスコ・テクノロジーズ<6698>、8日にUTグループ<2146>、夢真HD<2362>、エン・ジャパン、大塚家具<8186>、9日に力の源HD<3561>、DMP、PKSHA Technology<3993>、中村超硬<6166>、ハーモニックなどが決算発表を予定している。人材サービス会社やグレイス、JESHD、ヴィスコ、中村超硬などは業績期待が高そうだ。

IPO関連では、2月6日からMマート<4380>のブックビルディング(BB)期間となる。仮条件は目論見書の想定発行価格を挟んだレンジで決定した。市場環境の変化が投資家のIPO参加姿勢にも影響を与えるか、BBの動向を注視したい。また、ジェイテックコーポレーション<3446>は9日に仮条件が発表される。





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