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欧米為替見通し:ドル・円は弱含みか、ロシアゲート問題再燃をきっかけに調整へ


今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開を予想したい。ドルの戻りが鈍いなかロシアゲート問題再燃を嫌気したドル売りが先行する見通し。また、米国が北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定した場合の反発も予想され、警戒の円買いが見込まれる。

注目の米税制改革法案は前日に下院を通過したものの、上院の可決は難航するとの見方からドル・円は戻りの鈍い展開となっていた。そこへモラー米特別検察官が昨年の米大統領選のトランプ陣営メンバーに召喚状を出したとの報道が伝わり、本日のアジア市場では朝方からドル売りに振れた。ドル・円は前日のNY安値112円74銭を割り込んだことや日経平均株価の上げ幅縮小、米長期金利の低下を受け、ドル売り・円買いが加速。欧米市場でもロシアゲート問題の再燃を消化する展開となりそうだ。

また、北朝鮮問題を背景とした円買い圧力も予想される。ホワイトハウスは週明けにも北朝鮮をテロ支援国家に再指定する意向。先の米中首脳会談では朝鮮半島の非核化で両国が歩調を合わせることで一致したものの、解決に向けたアプローチは対話か圧力か方針が固まっていないようだ。北朝鮮は足元で目立った行動は控えているようだが、テロ支援国家再指定の場合には新たな軍事的挑発行為に踏み切る可能性もあり、リスク回避的な円買いや利益確定のドル売りなどが予想される。

こうした要因から、今晩のドル・円は週末を控えドル売りが先行する見通し。心理的節目の112円50銭を再び下抜けたことで、さらに弱含む展開が見込まれる。ただ、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が「2018年末までの計4回の利上げは妥当な推測」と述べており、本日発表となる米国の住宅関連指標が予想通りの増加を示せば、ドル売りをある程度弱める可能性があろう。また、米税制改革法案に関しては審議の行方を見極めたいとのムードもあり、一段のドル売りには慎重になるとみられることから、112円台を割り込む展開は想定しにくい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 ドラギECB総裁基調演説(フランクフルト欧州銀行会議)
・18:00 ユーロ圏・9月経常収支(8月:+296億ユーロ)
・22:30 米・10月住宅着工件数(予想:119.0万戸、9月:112.7万戸)
・22:30 米・10月住宅建設許可件数(予想:125.0万戸、9月:122.5万戸)
・22:30 カナダ・10月消費者物価指数(前年比予想:+1.4%、9月:+1.6%)



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