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米国株式市場見通し:上院の税制改革案発表に注目


先週に下院が作成した税制改革案が公表され、法人税率の引き下げや所得税率の簡素化が盛り込まれた一方で、州・地方の所得税及び売上税控除が撤廃され、固定資産税や住宅ローン利子の控除可能額が引き下げられた。今週は上院の税制改革案の発表が注目されるが、高税率の州を基盤とする議員からの反発が予想される。年内成立を目指す税制改革法案を巡る議会動向が引き続き投資家の関心事項となるだろう。また、トランプ大統領は4日から10日間の日程で日本を含むアジア諸国を歴訪する。同日程中に北朝鮮によるミサイルや核実験などの挑発があれば、地政学リスクへの警戒感が再燃するだろう。

10月雇用統計は非農業部門就業者数が予想を下振れたものの回復し、失業率も低下したことから、12月の利上げ実施が確実視されている。トランプ大統領は次期FRB議長にパウエルFRB理事を指名したが、同氏の金融政策はイエレン議長の路線を踏襲するとされ、緩やかな利上げ継続が予想される。一方で、同氏は金融規制の緩和に寛容な姿勢を示しており、来年2月以降の動向が注目される。

今週は百貨店のメーシーズ(9日)、ノードストローム(9日)、JCペニー(10日)などの小売企業の決算発表が多数予定されており、決算内容と共に年末商戦の見通しに注目が集まるだろう。小売以外では旅行予約サイトのプライスライン(6日)、高級ホテルのマリオット・インターナショナル(7日)、住宅建設のDRホートン(9日)、半導体のエヌビディア(9日)、エンターテイメントのウォルト・ディズニー(9日)などの決算発表が予定されている。今年の年末商戦はアマゾンの脅威に加え、アップルの「iPhone X」への高額出費で消費者の予算が制限され、店舗型の従来小売店への影響が懸念される。小売決算では具体的な年末商戦への経営戦略の提示がなければ、投資家の失望を招くことになるだろう。

経済指標では、9月卸売在庫(9日)、11月ミシガン大学消費者信頼感指数(10日)などの発表が予定されている。ミシガン大学消費者信頼感指数では、今月下旬から本格化する年末商戦で、個人消費を後押しする兆候が確認できるかどうかが注目されそうだ。9日には、中国の10月消費者・生産者物価指数も発表される。

(Horiko Capital Management LLC)




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