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欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開継続か、安倍政権盤石との思惑で円売り安心感も


今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きの継続を予想したい。前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)9月議事要旨を受け、ドル買いは慎重となろう。ただ、明日発表の米国の消費者物価指数(CPI)は堅調な内容が見込まれ、ドル売りは限定的となる見通し。また、安倍晋三首相の政権基盤強化への思惑から円売りも強まりそうだ。

昨晩公表されたFOMC議事要旨(9月19-20日開催分)によると、今後の利上げに向けイン
フレ指標を見極めたいとする複数の意見が明らかになった。FOMC声明やイエレン連邦準備
制度理事会(FRB)議長の記者会見で示されたタカ派寄りのスタンスが確認できず、前日NY市場でドル・円は112円08銭まで値を下げた。本日アジア市場では日本株高を背景とした円売りで112円前半を維持したが、戻りの鈍い展開となった。

米国のインフレ指標が改めて注目されるなか、今晩は21時半発表の9月生産者物価指数(PPI)が材料視される。市場予想通りに伸び拡大となれば、明日発表の9月消費者物価指数(CPI)にも期待が高まろう。9月CPIは現時点で前年比+2.3%と、8月の+1.9%を上回り、FRB目標の+2.0%に到達する公算。今晩から明日にかけてのインフレ指標により、FOMC議事要旨で広がった12月利上げに対する懐疑的な見方は弱まる可能性がある。

一方、22日投開票の日本の衆院選も材料視される。国内メディアの序盤情勢調査によると、与党が自公合計で300議席超と、安倍首相が目標とする過半数233議席を大きく上回る勢い。公示前勢力の319議席を下回ったとしても、躍進が見込まれる希望の党が「改憲」をキーワードに自公政権に相乗りすれば、安倍首相は権力基盤を強めるとの見方もできる。
足元の経済政策継続への思惑から円売りに安心感が広がり、ドル・円を押し上げる場面もありそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・8月鉱工業生産(前月比予想:+0.6%、7月:+0.1%)
・21:30 米・9月生産者物価指数(前月比予想:+0.4%、8月:+0.2%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:25.0万件、前回:26.0万件)
・23:30 ブレイナード米FRB理事とドラギECB総裁が金融政策に関する討論会出席
・23:30 パウエル米FRB理事講演(新興市場国の経済見通し)
・02:00 米財務省30年債入札(120億ドル、リオープン)
・G20財務相・中央銀行総裁会議(13日まで)
・ブラジル市場は「聖母の日」祝日のため休場



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