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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、北朝鮮リスクが重石に


今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。前週末に発表された堅調な米国の6月雇用統計を好感した動きとなる見通し。ただ、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の首脳宣言に北朝鮮問題が言及されなかったことで警戒感が残され、引き続き円買い要因として意識されそうだ。

7日に発表された米国の6月雇用統計は、失業率が4.4%(予想4.3%)、平均時給が前年比+2.5%(同+2.6%)と下振れしたものの、非農業部門雇用者数が前月比+22.2万人(同+17.8万人)と大幅に改善。先行指標として注目された6日の6月ADP雇用統計(民間雇用者数)が低調で、7日の雇用統計への期待が低下していたため、ポジティブ・サプライズと受け止められ、ドル・円はNY市場で114円台まで値を切り上げた。週明けアジア市場も朝方を除いては114円前半を中心とした小じっかりの値動きで、欧米市場も株高に振れればリスク選好的なドル買い・円売りの流れが続きそうだ。また、日銀による7日の指値オペの効果も継続し、ドルの上昇を支援しよう。

今晩は重要イベントの通過で様子見ムードが広がりやすいなか、23時発表の米国の6月労働市場情勢指数が手がかりとなる可能性があろう(注:予定時刻に発表されないこともあります)。昨年10月以降は改善と悪化の節目ゼロをほぼ安定的に上回って推移しており、6月雇用統計の堅調な内容を裏付けられれば、連邦準備制度理事会(FRB)の年内追加利上げ観測が高まり、ドル買い要因となる見通し。一方、6-7日にドイツ・ハンブルグで開催されたG20サミットの首脳宣言に関し、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射や核実験実施に対する非難が盛り込まれなかった。北朝鮮の脅威にさらされる状況に変わりはなく、警戒による円買い継続でドルは上値が押さえられる展開となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・23:00 米・6月労働市場情勢指数(予想:2.5、5月:2.3)
・04:00 米・5月消費者信用残高(予想:+135億ドル、4月:+91.97億ドル)



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