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欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、トランプ政権への不安は継続も


今日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。トランプ米政権をめぐるロシア疑惑を背景とした政権運営への不安から、警戒ムードが続く見通し。ただ、前日発表された米経済指標が堅調な内容となり、連邦準備制度理事会(FRB)による6月利上げ
観測の継続から、ドル売りは弱まりそうだ。

引き続きトランプ政権とロシアとの関係が意識されやすい展開。直近の報道によると、昨年11月の大統領選までの間、2月に辞任したフリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)をはじめとするトランプ陣営は、ロシア政府関係者などと18回にわたり接触していた。トランプ大統領は今月9日、トランプ政権とロシアとの関係を調査中だった連邦捜査局(FBI)長官を突然解任しており、疑惑が深まっている。

こうした状況から、トランプ大統領の政権運営に広がった不安はなお続く見通しで、ドル買いには慎重になりやすいだろう。ドル・円は16日から17日にかけて2円程度も円高に振れた後、足元は行き過ぎた円高を修正する局面だが、111円半ばのドル売り圧力もあり、戻りは鈍いとみられる。今晩は特に重要イベントが予定されておらず、欧米の株価や金利動向を手がかりとしたポジション調整主体の取引が予想される。

一方、前日発表された米国の失業保険申請件数や5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数では予想を上回る改善がみられ、FRBによる6月利上げ観測が再燃。ある短期筋は「ドルの下値が堅いとは思えないが、売りはいったん収束した」と指摘。そのうえで、「米国の政治情勢がさらに混乱する前に利上げを急ぐ可能性はある」との見方を示す。こうした思惑も目先はドルをサポートするだろう。(吉池 威)


【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・3月経常収支(2月:+279億ユーロ)
・21:30 カナダ・4月消費者物価指数(前年比予想:+1.7%、3月:+1.6%)
・21:30 カナダ・3月小売売上高(前月比予想:+0.3%、2月:-0.6%)
・22:15 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米経済と金融政策)
・02:40 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が高校で講義



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