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国内株式市場見通し:朝鮮問題の緊張緩和なら業績相場に移行できるが


先週の日経は下落。14日には一時18285.73円と昨年11月30日以来、約5ヵ月半ぶりに18300円を下回る場面をみせた。シリアや北朝鮮情勢を巡る地政学への警戒からリスク回避の流れが強まり、日経平均は週初から不安定な相場展開のなか、連日で年初来安値を更新。特に米空母が朝鮮半島に向け航行し、北朝鮮が「いかなる形の戦争にも対応する」と脅すなか、米国が北朝鮮に先制攻撃を行うのではないかとの不安等から日本株市場の弱さが目立つ格好となった。15日の北朝鮮金日成国家主席の生誕105周年を控え、押し目買いも入りづらい需給状況であった。さらに、14日は欧米市場がグッドフライデーの祝日で休場となるため週末は海外勢のフローが限られたが、その中で久しぶりに波乱のSQとなり、SQの売買の影響を受ける格好にもなった。

また、物色の流れは防衛関連に集中する格好となり、関連銘柄が連日でストップ高を付ける活況に。もっとも、週後半には防衛関連についても利益確定が強まるなど、値動きの荒さが目立っていた。

今週については、まずは15日の北朝鮮金日成国家主席の生誕105周年の行事、これを無事通過するのを見極めたいところである。緊張が和らいでくるようだと、週間ベースでは4週連続で日経平均は下落していることもあり、今週以降の自律反発が期待される。ただし、北朝鮮問題については米国主導のなか一気に払拭されることは考えづらい。また、足元の調整で需給状況は悪化し、トレンドは悪化傾向であるため、戻り待ちの売り圧力が警戒されやすいところである。そのため、反発をみせたとしてもトレンド転換にはつながらないだろう。

また、週明けについては欧州市場などがイースターマンデーの祝日で休場になるため、引き続き海外勢のフローは限られる。先週は日銀のETF買い入れが観測されていたが、薄商いの中でもインパクトが限られており、戻り局面でも上値追いは慎重となり、資金の逃げ足の速さから急速に値を消す銘柄も出やすいとみておきたい。

ただし、米国では決算発表が本格化する。先週13日に発表されたJPモルガン、シティの決算はコンセンサスを上回っている。利上げやトランプ相場を背景にトレーディング収入が好調だった。1-3月期のS&P500構成銘柄の利益予想では、金融セクターは全てのセクターで最大となる利益成長が予想されており、一先ず予想通りの出足である。外部環境が落ち着きをみせてくるようだと、改めて業績評価の流れに向かう可能性があるため、下支え要因になりそうである。今週は18日にバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス・グループ、19日にモルガン・スタンレー、USバンコープ、ブラックロックなど金融機関の決算が予定されている。ゴールドマン・サックス辺りが想定市場の結果ともなれば、市場に安心感を与えよう。

その他、経済指標では17日に中国GDP(1-3月)、中小売売上高(3月)、中固定資産投資(3月)、中工業生産(3月)、米ニューヨーク連銀製造業景況指数(4月)、米NAHB住宅市場指数(4月)、米対米長期証券投資(2月)、18日にIMF世界経済見通し(WEO)、米住宅着工件数(3月)、米鉱工業生産(3月)、19日には訪日外国人客数(3月)、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、20日に貿易統計(3月)、百貨店売上高(全国・東京地区3月)、コンビニエンスストア売上高(3月)、米週間新規失業保険申請件数、米景気先行指標総合指数(3月)、21日に米中古住宅販売件数(3月)、ユーロ圏総合PMI速報値(4月)、ユーロ圏製造業PMI速報値(4月)、ユーロ圏サービス業PMI速報値(4月)などが予定されている。米景気の楽観論が後退するなか、弱めの内容となるようだと、追加利上げ観測の後退とともに、ドル安・円高の流れが警戒されやすく、これが株式市場への重しとなることも警戒しておく必要がありそうだ。




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