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欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、朝鮮半島の有事に思惑も


今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。今日と明日行われる米中首脳会談を前に動きづらく、下落局面でもドル売りは手控えられる見通し。市場では主要議題となる北朝鮮問題について有事の円の値動きに思惑が広がっている。

前日の海外取引時間帯では、米国の3月ADP全米雇用報告(民間雇用者数)が予想を大幅に上回り、7日発表予定の3月雇用統計の堅調な内容が期待され、ドル買いに振れた。ただ、その後公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月14-15日開催分)は、株安につながったことで利益確定売りの手がかりとなり、ドル売り基調に。本日のアジア市場でもその流れを受け継ぎ、日経平均株価の大幅安を背景に一時110円29銭まで値を切り下げた。足元のドル・円はダウンサイドに向いており、今月4日安値の110円27銭や3月27日の110円11銭が下値メドとして意識されるが、引き続き押し目買いが入りやすく、今晩も節目の110円を割り込む展開には至らないかもしれない。

一方、6-7日に米フロリダ州で行われる米中首脳会談では、通商問題のほか朝鮮半島問題が焦点となりそうだ。安倍晋三首相は今朝、トランプ米大統領と電話会談し、5日の弾道ミサイル発射を含め北朝鮮政策について協議した。報道によると、米国サイドは「過去20年間の対話の試みは失敗」とし、軍事行動も選択肢に入れていることを明らかにした。ある外為ディーラーは、仮に米朝間が戦争状態に突入した場合、「北朝鮮が自暴自棄になって韓国や日本に対し核ミサイル攻撃を仕掛けるシナリオに警戒したい」と指摘。目先はリスク回避的な円買いになっているが、日本が首都機能を失うほどのダメージを受けた場合には、超円安の展開も想定されているようだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・20:30 欧州中央銀行(ECB)の3月理事会議事要旨
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:25.0万件、前回:25.8万件)
・22:30 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が討論会参加(ECB主催会合)
・米中首脳会談(7日まで)





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