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欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、米3月利上げ観測継続


今日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を予想したい。明日の欧州中央銀行(ECB)理事会開催や、その後の米国の2月雇用統計発表を控え動きづらいなか、米連邦準備制度理事会(FRB)の3月利上げ観測がドルの下支えとなる見通し。ただ、引き続き114円台ではドル売り圧力が強いとみられ、上昇ペースは鈍いと思われる。

市場では、9日開催のECB理事会と10日発表の米2月雇用統計が注目されている。ECB理事会では、現行の金融政策の維持が見込まれている。前日発表されたユーロ圏の10-12月期域内総生産(GDP)確報値は前期比+0.4%、前年比+1.7%となった。先日4年ぶりの高水準を示した2月消費者物価指数(CPI)と合わせ、緩やかながらもユーロ圏経済の成長持続により、金融緩和解除の圧力がかかりやすい状況。また、明日発表されるECBのインフレ見通しも上方修正が予想される。ただ、仏大統領選など欧州政治リスクから、ECBが引き続きハト派寄りのスタンスを維持するかどうかを、市場は見極めたいようだ。

一方、米FRBは14-15日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で昨年12月以来の利上げに踏み切るとの観測が広がっている。CMEグループが算出するFedウォッチでは引き続き8割が3月利上げを見込む。このため、米国の2月雇用統計の前哨戦として注目される今晩発表の2月ADP全米雇用報告が、予想通り1月を下回っても、予想範囲内の内容となればドル買い・円売りに振れやすい地合いは続くだろう。ただし、ドル上値の重さが嫌気されれば調整の売りに押される展開となろう。また、米国の保護主義的な通商政策が推進されることにともない、思惑的なドル売りが強まる可能性も高まろう。(吉池 威)


【今日の欧米市場の予定】
・17:15 スイス・2月消費者物価指数(前年比予想:+0.4%、1月:+0.3%)
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+5.8%)
・21:30 ハモンド英財務相が予算演説
・22:15 米・2月ADP全米雇用報告(予想:+18.7万人、1月:+24.6万人)
・22:30 米・10-12月期非農業部門労働生産性改定値(前期比年率予想:+1.5%、速報値:+1.3%)
・24:00 米・1月卸売在庫改定値(前月比予想:-0.1%、速報値:-0.1%)
・24:00 米・1月卸売売上高(前月比予想:+0.5%、12月:+2.6%)
・03:00 米財務省10年債入札(200億ドル)




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