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欧米為替見通し:ドル・円上げ渋りか、米3月利上げ観測浮上も新政権の政策待ちに


今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。今晩公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、3月利上げ観測が高まればドル買いが強まる見通し。ただ、トランプ米政権による経済政策が不透明なため、上昇は限定的となりそうだ。

今晩は日本時間23日4時公表のFOMC議事録(1月31日-2月1日開催分)の内容が材料視される。この時の声明では、労働市場の引き締まりなどが評価されたものの、「インフレ率は直近の四半期で加速したが依然として低水準」など慎重な見方が示された。実際、連邦準備制度理事会(FRB)が注目するPCEコアデフレーターは目標の2%に到達していないため、3月利上げへの期待は後退しつつあった。

ところが、直近のFRB当局者による発言では、早期追加利上げに前向きな見解が目立つ。ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は21日の講演で、「3月利上げは排除せず」と実施時期に言及。CMEグループが算出するFedウォッチでは、こうした発言で3月利上げ予想確率が若干ながら高まったようだ。現時点では6、9、12月の年3回の利上げが市場コンセンサスだが、3月実施が見込まれれば、利上げペースは加速しよう。

ただ、市場は目下、トランプ政権の税制改正や財政支出など経済政策の発表待ち状態で、「本当に発表するかは不透明」(ある市場筋)との懐疑的な見方も根強く、ドル買いに慎重になっているようだ。また、15日の取引で節目の115円を上抜けられず上値の重さが意識されており、FOMC議事録によって3月利上げに期待が高まっても、ドルの大幅高は想定しにくい状況にある。(吉池 威)


【今日の欧米市場の予定】
・18:00 独・2月IFO企業景況感指数(予想:109.6、1月:109.8)
・18:30 英・10-12月期GDP改定値(前年比予想:+2.2%、速報値:+2.2%)
・19:00 ユーロ圏・1月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.8%、速報値修正値+1.1%)
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-3.7%)
・22:30 カナダ・12月小売売上高(前月比予想:0.0%、11月:+0.2%)
・24:00 米・1月中古住宅販売件数(予想:555万戸、12月:549万戸)
・03:00 パウエル米FRB理事講演(経済見通しと金融政策)
・03:00 米財務省5年債入札(340億ドル)
・04:00 米FOMC議事録(1月31日-2月1日開催分)





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