中国2025年の中央1号文書を発表:食料安全保障、農村振興、農業改革の継続を重視【中国問題グローバル研究所】
中国政府が毎年発表する政策指針である中央1号文書の2025年版が発表され、農業、農村振興、食料安全保障が引き続き重視されることが明らかになりました。文書は「農村改革を深化させ、農村の振興を推進する意見」とし、2つの継続目標と4つの重点領域を掲げた簡素化された枠組みが導入された。 食料安全保障では国内生産の強化が重視され、特に大豆・油糧作物の生産支援が強調されていますが、耕作地の限界や都市化の進展が課題です。また、農業の技術革新と工業化が促進され、村の労働力不足や公共サービスの格差といった根深い問題への対策が求められています。 さらに、農村部での貧困再発防止、公共サービスの改善が重要課題として取り上げられ、労働力流出や財政難に直面する地方政府への支援が急務とされています。
中国が毎年発表する中央1号文書は国の基本的な優先事項を示すものだが、2025年も例外ではない。「農村改革をさらに深化させ、農村の全面振興を着実に推進することに関する意見」と題された2025年の中央1号文書も、従来どおり農村開発に焦点を当てる一方、「2つの継続」と「4つの重点領域」の下、より簡素化した枠組みを導入し、食料安全保障、工業化、農村の振興を政策努力の中心に据えている。
今回の文書では、農村の振興が中国式近代化に不可欠であると強調し、農村の基本的管理システムの強化・改善には改革と技術革新、開放が必要であると訴えている。国家の食料安全保障の確保、農村の大規模な貧困再発の防止、農村の産業・インフラ・統治の強化が相変わらず最大の優先事項とされている。また、技術の向上により農業の近代化と工業化を推し進めなければならないと強調する一方、農村の労働力不足、公共サービスへのアクセスの不均等、地方の財政難などの根強い問題にも対処しようとしている。
簡潔にまとめられたこの文書では的を絞った実行戦略が語られているが、中国農村部に内在する問題は相変わらず複雑で、非常に根深い。農村の大規模な貧困再発の防止、公共サービスの格差への対処、先進技術の恩恵を農村コミュニティにも届けることは、いずれも中国政府が看過できない極めて重要な取り組みである。
地政学的・経済的に喫緊の課題となる食料安全保障
中国が穀物安全保障と主要農産物を重視していることは、さほど意外ではない。政府は生産と供給網の安定を強く求めているが、これは世界的な地政学的緊張と供給網の混乱に対する懸念の高まりの表れである。国内の大豆・油糧種子生産に対する支援の強化は、特に米国やブラジルなど政治的にデリケートな関係にある供給国からの輸入への依存削減を進めていることを物語っている。
しかし国内生産の強化は構造的な課題も突きつけている。中国の耕作可能地は限られており、都市部の拡大が農地を侵食し続けている。作物の高収量品種や精密農業などの技術革新が進んでいるとはいえ、「こうした技術を小規模農家が効果的に導入できるのか」といった疑問が残る。政府は農業の近代化を訴えているが、そのためには技術の導入格差を埋め、補助金がそれを真に必要とする当事者に確実に届くようにする確固たる政策も打たなければならない。
農村の工業化:経済成長戦略となるのか
中央1号文書で興味を引くもう1つのポイントは、農業の近代化と工業化を重視している点である。スマート農業、デジタル農業、機械化の推進は、農業を、技術を活用した高価値セクターにするという中国の大局的な目標に合致している。「農村改革の深化と外国投資への農業の開放」に引き続き取り組む政府の姿勢は、市場の力を活用しようという意向の表れだが、効率化と農村の安定雇用のバランスには課題が残る。
大手アグリビジネス企業や国営企業が工業化の恩恵を大いに受けられるのに対して、中国農村部の基幹を成す小規模農家はついていくことが難しいかもしれない。狙いを絞った支援なしに機械化とデジタル化を進めても、経済的格差は縮まるどころか逆に拡大しかねない。訓練、融資、デジタルリテラシーなどのプログラムがないままでは、農家は進化する農業に有意義な参画ができない。
貧困再発の防止という根強い課題
中国は2020年に極貧撲滅で正式な勝利宣言をしたが、貧困軽減に向けた闘いはまだ続いている。今回の文書では「引き続き貧困軽減策を強化・拡大すること」に焦点を当てており、これまでの成果が依然として不確かであることを認識している様子が伺える。経済ショックや気候変動、公衆衛生上の危機が起これば、足場の弱い市民は容易に貧困状態に舞い戻りかねない。
「中庭経済」と農村地域の収入源の多様化を推し進める政府の戦略は、善かれと思ってのことであろうが、前途に立ちふさがるハードルは高い。資金調達のつてや販路、訓練の機会に乏しい農家が多く、こうした政策の効果は限定的である。これに加え、小規模な家内産業に従事する農村世帯は低生産性と市場の変動に苦しめられることが多い。農村社会の安全保障と経済的レジリエンスを高める構造改革を行わなければ、大規模な貧困再発を防ぐ中国政府の取り組みは難しい課題に直面するかもしれない。
農村の公共サービスの歴然とした遅れ
政策が打ち出されているものの、中国農村部は相変わらず教育、医療、高齢者介護など主要公共サービスで都市部に後れを取っている。今回の文書では「住みやすく、事業に適した農村部づくりの加速」を約束しており、期待が持てるようにも感じられるが、実行には課題がつきまとう。
医療:農村部では人手と設備が不足している医療施設が多い。都市部と農村部の医療アクセス格差は拡大しており、多くの村民が質の高い治療を受けるために長距離の移動を余儀なくされている。
教育:農村の教育を向上させる取り組みがなされているものの、教員不足とインフラの老朽化が相変わらずその進展を阻んでいる。農村部の生徒は高等教育を受ける機会をはじめ、体制がもたらす不利益に直面している。
高齢者介護:「空の巣高齢者」は、深刻化する問題である。若い世代が仕事を求めて都市部に移住するなか、農村部では十分な支援なしに取り残される高齢者が増えている。中国の年金・社会保障制度は依然として都市部の住民に有利なように大きく偏っており、不平等を助長させている。
中国が農村振興の実現を真剣に目指すのであれば、農村部と都市部の公共サービスの格差是正を最重要課題にしなければならない。財政的支援、人材育成、インフラ投資の拡充が急務である。
隠れた構造的課題:労働力流出と地方政府の負担
中国の農村開発戦略で、切迫しているものの見過ごされがちな問題の1つが、農村部から都市部への若者の流出である。今回の文書は野心的な農村振興計画を示す一方で、農村部の労働力不足に具体的な解決策を示していない。農村部の労働力が縮小するなか、政府主導のイニシアチブの多くがマンパワー不足で頓挫するおそれがある。
これに加え、地方政府は財政難の深刻化にも直面している。中央1号文書の政策指示は簡潔で実行しやすいとはいえ、改革を効果的に進める上で必要な財源と人的資源が不足する地方行政部が多い。赤字を抱える地方自治体は農村開発プロジェクトの資金調達に苦慮しており、政策の実行状況は地域により相変わらずばらつきがある。
都市部住民による農村部の土地購入をめぐる論争
今回の文書で特に注目すべきは、都市部住民による農村部の家屋・土地の購入を厳しく禁じている点である。政府当局は、都市部住民が農村部の家屋と敷地を購入することや、退職した幹部が個人的に住むために農村部の土地を占有することはできないと明言した。この制限措置は、農業利用のために農村部の土地を確保し、投機的な不動産取引を防ぐという中国政府の決意を物語る。
またこの強い姿勢の裏には、広い視点での2つ経済問題がある。1つ目は、農村部の土地が徐々に細分化され、不正に流用されたという過去の傾向であり、2つ目は、都市部の投資を都市部の不動産市場に向けさせ、不動産価格の安定化を図るという中国政府の思惑である。都市部住民による農村部の家屋の購入を阻止することで、政府は農村の土地の配分に対する統制を強め、都市部の不動産需要を維持する狙いがある。
政府当局は、都市部住民が農村部の家屋・土地を住居利用のために購入することや、退職した高官が個人的に住むために農村部の土地を取得することを厳しく禁じる姿勢を改めて確認した。農業農村部(MARA)農村経済研究センターの金文成主任は、農村部の家屋・敷地は農家ものであることは法律で定められており、この仕組みのいかなる変更も規制を厳守して行わなければならないと強調した。この方針は、農村部の土地が過去に侵食されたことに対する懸念の表れであると同時に、都市部の住宅購入者を都市部の不動産市場に向かわせることで、住宅価格の安定化を図りたいという中央政府の意向を示唆している。
まとめ:野心的な目標、残された課題
2025年の中央1号文書は戦略的な優先事項を明確に示し、食料安全保障、工業化、農村振興の重要性を強調している。その一方で、水面下の構造的問題が依然として解決されていない。農村開発とは単なる技術的進歩や経済拡大の問題ではなく、体系的な社会改革や包摂的な政策、地方の統治メカニズムの強化を必要とするものだ。
今回の文書は農村変革のロードマップを示しているが、その実行時に真価が問われることになる。中国が野心的な計画を進める上で、農村部と都市部の格差是正と衡平な発展を政策議題の中心に据え続けなければならない。さもなければ、中国農村部の経済・社会的破綻が今後の国家の長期的な安定と繁栄を難しくするだろう。
田んぼで除草する中国農民(写真:ロイター/アフロ)
(※1)https://grici.or.jp/
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