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NYの視点:米10月CPIが予想を上回った場合、12月FOMC利下げ見送りも


米NY連銀の10月消費者世論調査では、インフレ期待が低下し、1年先のインフレ期待は2.87%と4年ぶりの低水準に達しました。ただし、消費者は労働市場への不安をあまり感じておらず、失業率予想も低下しています。一方、JPモルガンは10月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回る3.5%となった場合、FRBが利上げを検討する可能性があると指摘しています。10月のCPIが金融政策に影響を与える見込みです。なお、トランプ大統領は国内石油生産の増加を公約しており、ガソリン価格の引き下げがインフレに鈍化影響を与えると見込まれていますが、関連する成長政策がインフレを引き起こすリスクも警戒されています。

*07:41JST NYの視点:米10月CPIが予想を上回った場合、12月FOMC利下げ見送りも 米NY連銀が実施した10月消費者世論調査結果において、インフレ期待が軒並み低下した。ガソリン価格の低下が奏功した。

1年インフレ期待は2.87%と、2020年10月以降ほぼ4年ぶり低水準。3年インフレ期待は2.54%と、9月2.66%から低下。連邦準備制度理事会(FRB)が特に注視している5年インフレ期待は2.77%と、2.86%から低下した。

同時に失業率が今後1年で上昇するとの予想は34.5%と、2022年2月来で最低。現在の職を失う確率が高いとの回答が減った一方で、現在の職を失っても新たな職が見つかる自信も改善するなど、消費者の労働市場への不安は見られず、今後も労働市場や消費を支える可能性が示唆された。

また、債務の返済滞納の可能性も5カ月ぶりに低下。与信状況や見通しも改善したことも景気を支える。

■米10月NY連銀調査インフレ期待
1年:2.87%(9月:3.0%)
3年:2.54%(2.66%)
5年:2.77%(2.86%)
失業率が今後1年で上昇する:34.5%
1年後のガソリン価格:+3.24%
1年後の食品価格:+4.27%
1年後の賃貸:+5.9%

トランプ次期大統領は最優先課題として、国内での石油生産を増やし、第1次政権のようにエネルギー自立すると宣言、ガソリン価格を大幅に引き下げると公約。インフレの鈍化を支援すると見られるが同時に、成長を支援する政策が景気を押し上げ、減税などの支出拡大がインフレにつながるとの見方に、利下げペース鈍化見通しが強まりつつある。

市場は10月のインフレ動向が12月連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策を左右すると見ている。10月消費者物価指数(CPI)は13日に発表予定。総合で前年比+2.6%と9月+2.4%から伸び拡大予想。特にFRBが注視する変動の激しい食品やエネルギーを除いたコア指数は9月と同様の+3.3%が予想されている。

JPモルガンはもし、コアCPIが3.5%と伸びが拡大した場合、FRBが利上げも考慮する可能性があると指摘している。

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