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NYの視点:米9月の利下げ開始観測が再燃


*07:39JST NYの視点:米9月の利下げ開始観測が再燃 労働省が発表した4月消費者物価指数(CPI)は+0.3%となった。伸びは予想外に3月+0.4%から鈍化し1月来で最低。6か月間で初めて伸びが鈍化した。前年比では+3.4%と、予想通り3月+3.5%から伸びが鈍化した。連邦準備制度理事会(FRB)が特に注視している燃料や食品を除いたコア指数は前月比+0.3%と、予想通り3月+0.4%から伸びが鈍化し昨年12月来で最低となった。前年比では+3.6%。伸びはやはり予想通り3月+3.8%から鈍化し21年3月来で最低となった。

燃料コストが1.1%上昇で総合インフレ指数を押し上げ。ガソリン価格が+2.8%(3月+1.7%)と上昇したが、天然ガスや電気代の下落が相殺した。食品価格は横ばい。

物のコア指数は-0.1%。中古車価格が―1.4%(3月―1.1%)、新車が―0.4%(-0.2%)。コアサービスインフレも+0.4%と、3月の+0.5%から伸びが減速。賃貸は+0.35%と3月の+0.41%から減速。一方で自動車保険コストは+1.8%、レジャーサービスも+0.3%と3月の+0.1%から加速し、インフレの根強い証拠となった。

ただ、遅行指標とされる賃貸にもようやく、ディスインフレの兆候が見られ始めたことは連邦準備制度理事会(FRB)にとり朗報となり、インフレが正しい方向に向けて推移している証拠となった。同時に他の項目での価格の上昇が見られ、インフレ改善に向け、FRBが一段と確信するにはまだ、不十分との見方も少なくない。

FRBが最もインフレ指標として注目している31日に発表される4月コアPCEデフレーターはCPIやPPIの結果を受けて、減速の基調を示すと見られている。

ブルーンバーグの予想で、コアPCEデフレーターは+0.247%と、第1四半期のレンジ0.26%-0.49%を下回る見通し。前年比では+2.8%と、3月と同水準。パウエル議長が特に注視している住宅を除いたコアサービス、スーパーコアも+0.21%(3月+0.39%)、前年比+3.4%(+3.5%)鈍化が予想されている。

ただ、目標の2%は引き続き上回る見込み。米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も「金融政策が経済にどの程度、下方圧力を加えているかが最大の不確実性となっており、このため、より長く、金利を据え置く可能性が高い」との見解を再表明した。インフレ鈍化を一段と確信するためにはさらなる証拠が必要となる可能性が残る。

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