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NYの視点:9月FOMCでの75BP利上げほぼ確実に、賃金インフレがインフレ高進長期化をけん引か


最新の米国重要インフレ指標の結果を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月20-21日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続で75ベーシスポイント(BP)の利上げに踏み切ることがほぼ確実視された。

8月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%と、マイナスに改善予想に反し、7月0.0%から伸びが拡大した。前年比では+8.3%と、伸びは7月+8.5%から鈍化し、4月来で最小となったが予想を上回った。FRBがインフレ指標として注目している変動の激しい燃料や食料を除いたコアCPI指数は前月比+0.6%と、予想外に7月+0.3%から伸びが拡大。前年比では+6.3%。伸びは7月+5.9%から予想以上に拡大し、3月来で最大となった。原油価格が6月に高値を付けたのち、下落基調であるためガソリン価格は下落したものの、サービスセクターの上昇が全体指数を押し上げ。

8月生産者物価指数(PPI)は前月比-0.1%と、予想通り7月-0.4%に続き2カ月連続のマイナスとなった。前年比では+8.7%と、7月+9.8%から予想以上に伸びが鈍化し、1年ぶりの低い伸びに改善した。PPIは原油価格の下落が奏功した形となった。一方で、変動の激しい燃料や食品を除くコアPPIは前月比+0.4%と、7月+0.3%から伸びが拡大。前年比では+7.3%と、7月+7.7%から伸び鈍化し昨年10月来で最低の伸びにとどまったが予想を上回り、コアPPIは依然インフレ高進を示す結果となった。

物の値段の伸びは緩やかになった。今後、景気減速に伴い需要の低下や、サプライチェーンの一段の改善、ドル高の影響が一段のインフレ圧力を弱めると考えられる。同時に、特にサービスセクターにおける強い賃金圧力がインフレ抑制を妨げる可能性がリスクとなるため、FRBは引き続きインフレ抑制への強い対応継続を迫られる可能性が強い。

米短期金融市場では9月FOMCでは75ベーシスポイント(BP)の利上げが100%織り込まれただけでなく、一部では100BP利上げ観測も浮上した。

■重要インフレ関連指標
・NY連銀8月期待インフレ率:1年5.7%(7月6.2%)5年:2%(7月2.3%)
・米・8月生産者物価コア指数:前年比+7.3%(予想:+7.0%、7月:+7.6%)
・米・8月消費者物価コア指数:前年比+6.3%(予想:+6.1%、7月:+5.9%)

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