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NYの視点:経済指標は強弱まちまち、市場は来年の利下げ織り込み始める


米商務省が発表した5月耐久財受注速報値は前月比+0.7%となった。伸びは4月+0.4%から減速予想に反し、拡大した。変動の激しい輸送用機器を除いた耐久財受注速報値は前月比+0.7%。伸びは4月+0.2%から予想以上に拡大し3月来で最大。企業の設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注速報は前月比+0.5%。伸びはやはり減速予想に反し拡大した。国内総生産(GDP)の算出に用いられるコア資本財の出荷速報値は前月比+0.8%。伸びは予想外に4月と同水準を維持しており、4-6月期GDPは今のところ、1-3月期のマイナス成長から小幅プラス成長に回復する可能性を示唆している。アトランタ連銀の同期GDP予想は+0.25%とかろうじて成長を維持する見込み。景気後退が回避できるとの期待も強まった。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した5月中古住宅販売成約指数も前月比+0.7%となった。予想外に昨年10月来のプラスに改善。一時30年物の固定住宅ローン金利が一時5%台に低下したことが要因と見られている。ただ、前年比では-12%。6カ月連続のマイナス。

一方で、製造業は依然冴えない。6月ダラス連銀製造業活動指数は-17.7と、5月-7.3に続き2カ月連続のマイナスとなった。また、改善予想に反して悪化。パンデミックによる経済封鎖直後の20年5月来で最低となった。明日はコンファレンスボードの6月消費者信頼感指数で米国経済の7割を占める消費の動向に注目となる。

市場は7月FOMC連邦公開市場委員会で0.75%の利上げを織り込んでいる。ただ、今後のインフレや経済指標次第では0.5%の利上げの可能性も除外できない。市場はすでに来年の利下げを織り込み始めており、ドルを買いづらい環境になりつつある。


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