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NYの視点:事態は深刻か?欧州におけるエネルギー供給不足問題


報道によると、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、独シュピーゲル誌に対し、「欧州は今夏に燃料不足に陥る可能性がある」との見方を伝えた。ビロル氏によると、「欧州と米国で主要なホリデーシーズンが始まると燃料需要が高まり、不足が生じる可能性がある」、「ディーゼル、ガソリン、灯油の不足が見込まれ、特に欧州で深刻な事態になる」、「現在のエネルギー危機は1970年代のオイルショックよりもはるかに深刻で、より長期にわたって続く可能性がある」と指摘している。欧州におけるエネルギー供給不足は米国主導の対ロシア経済制裁の反動的な現象であり、欧州諸国が米国の決定に従っていることが最大の要因である。

なお、米国エネルギー情報局が3月3日に公表した「2022年版年次エネルギー見通し」によると、米国では、2050年に向けて人口増加や経済成長がエネルギー効率の改善を上回り、2050年時点の国内エネルギー消費量が、熱量ベースで2021年比12%増加することを、基準シナリオとしている。米国における1次エネルギー源別の割合をみると、2021年時点では化石燃料が79.8%と最大のシェアを占めている。化石燃料の割合は2050年には 75%を下回るが、その主因は石炭の低下で、石油や天然ガスはわずかながら増加するとの見方が示されている。一方で、再生可能エネルギーの割合は2021年の12%から2050年には20%に拡大すると見込まれるが、これは、政策インセンティブや技術進歩によるコスト低下によって、風力や太陽光などの消費量が今後30年間で2倍以上に増加するとのシナリオに基づいている。原子力については、現時点とほぼ変わらない6%程度を維持する見込み。

米国が欧州に対するエネルギー供給を行うことが出来るかどうか不明だが、欧州諸国におけるエネルギー供給不足がほぼ解消されるような大量のエネルギー(燃料)を供給することは困難ではないかとみられている。


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