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NYの視点:多くの問題を孕むリラ建て預金の保護策


報道によると、トルコ政府がリラ建て預金の保護策(国民は預金金利の収入の享受しながら、財務省が補てんする形で外貨換算ベースの損失を回避し、なおかつ非課税)を12月20日に発表したことを受けて、国内銀行はリラ建て預金を集めるため、預金金利を引き上げているようだ。関係筋によると、預金金利は18%程度から20%を超える水準まで上昇しているようだ。預金金利が上昇していることから、中小企業向け融資の金利は上昇しており、一部で30%近辺のローン金利も提示されているようだ。

トルコ中央銀行よると、国民の貯蓄の半分以上は外貨と金で構成されているが、12月20日以降、外貨をリラに換える動きが広がっており、エルドアン大統領は24日、「国民が保有するトルコリラ建ての預金は12月20日以降、230億リラ増加した」、「新たに導入したプログラムは予算に貢献し、重荷にならない」、「価格を操作する者は法的措置に直面する」、「リラ支援策は憲法に沿っている」との見方を伝えている。

エルドアン大統領が発表したリラ建て預金の為替差損を補填する預金保護策を受けて、トルコリラはドルに対して急反発したが、通貨安が是正されない場合、将来的に財政悪化の一因となる可能性がある。すでに企業向け貸し出し金利は大幅に上昇しており、金利高が続いた場合、景気悪化を招く可能性もある。2022年にかけてインフレ率は一段と上昇すると予想されており、預金金利をすみやかに引き下げることは難しい状況であることから、トルコリラ相場は不安定な状態がしばらく続くとみられている。

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