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コラム【アナリスト夜話】総選挙通過で注目したい次のテーマ(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)


衆議院選挙が終了し、自民党が事前予想よりは強く、絶対安定多数を単独で確保したことで、市場はひとまず好感しそうです。

短期的には、補正予算の規模が焦点でしょう。コロナ禍はやや落ち着いているものの、来年の参議院選挙を考えると大規模なものになりそうです。しかし、本当に注目すべきは、中長期的な戦略、特に、やはりグリーンとデジタルだと思います。

この二つ、世界から見た日本の立ち位置は大きく異なります。環境分野についてはまだ世界のルールもカオスで、今後日本が一定のイニシャティブを発揮できると思われます。31日、総選挙の裏で、静かに国連の気候変動に関する会議「COP26」が開幕しました。今回は途上国の排出削減支援に関する取り決めが主眼です。一部報道では、岸田首相も出席し、独自案を提示するとされています。

一方、デジタルは、日本は先進国比の遅れを取り戻す段階です。例えば、自宅学習にICTを使っている生徒の比率はOECD中でダントツに低い(一人一台PC配布前のデータ)など、やるべきことが満載です。国際舞台での活躍というよりも、国内のリープフロッグ的成長と、それを可能にする変革ができるかどうかが鍵でしょう。

しかし、昨日の選挙会場をみると不安もよぎります。今どき、立ったまま用紙に文字を記入させるのは、選挙か役所か銀行の窓口くらいではと思います。因みに、投票用紙が妙に滑らかだと思ったら、実はプラスチック・フィルムだと知りました。今の制度を前提としたイノベーションはすごいと思いますが、そこではなくて、記号式や電子投票で効率性を高められないのかと思います。

選挙は数年に一度のことですが、他にも日々効率化・高度化できるタネはたくさんあります。ポジティブに考えれば、遅れがあるだけ伸びしろもある国です。新たな政策のスタートに期待しましょう。

マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那
(出所:11/1配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)


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