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NYの視点:米経済の回復が遅れる可能性を警戒


経済活動の再開で、需要が急増する中、求人件数も過去最大規模にまで増加している。一方で、政府のワクチン義務化の動きが、従業員の離職の動きにも拍車をかけている。労働市場の回復にも影響を与えかねない。実際、航空会社のサウスウェストはパイロットなど職員が不足し、航空便をキャンセルせざるを得なくなった。年末のホリデイシーズンに向けて需要がさらに増す中、11月、12月の減便の可能性も警告している。こういった状況が拡大することは経済にとりリスクとなる。

ゴールドマンサックスのチーフエコノミストは消費の回復が遅れることを理由に、2021年、2022年の成長見通しをそれぞれ5.6%、4%と、従来の5.7%、4.4%から引き下げた。23年、24年分は引き上げ。半導体不足が来年の下半期まで改善せず、在庫再構築も先送りされ当初期待していた早い回復が望めないと指摘。中期的な成長における課題は、財政支援が縮小することや物の購買の鈍化をサービスへの消費が十分に速やかに埋められないことを挙げている。

供給ひっ迫懸念にNY原油先物は80ドル超で推移。一時期待されていたような力強い回復期待が後退する中、エネルギー価格の上昇がインフレをさらに押し上げる可能性も強まった。市場ではスタグフレーション懸念も浮上しつつある。いずれ、ドル売り材料にもなり得るため、今後の消費や経済動向に注目が集まる。

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