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ウォール街を知るハッチの独り言 米国のジェネレーションX世代の日常(マネックス証券  岡元 兵八郎)


さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、4月19日に配信されました。
そのなかから今回は、同証券のチーフ・外国株コンサルタント、『ハッチ』こと岡元兵八郎氏のレポート「ウォール街を知るハッチの独り言」の内容をご紹介いたします。

皆さんはお子さんがいたらお小遣いはどうやって渡していますか?
今アメリカでは、親から子供へのお小遣いは現金で渡すのではなくスマホにダウンロードしたVenmo(PayPalが提供する個人間送金アプリ)のようなデジタルウォレットを使って渡すようになっており、まさに米国では家庭内でもキャッシュレスな時代となっており、文明の利器が活用されるようになっています。今回はそんなお話をしたいと思っています。

最近のことです、ニューヨーク郊外に住む友人と話をしていると彼女はとても興味深い話をしてくれました。彼女の高校生の息子さんの話です、彼の名前をリチャード君としておきましょう。彼の家から彼の高校までは徒歩で10分くらいの距離らしいのですが、たまに朝寝坊をするらしいのです。その際リチャード君が、目が覚めた瞬間にやることは、スマホのUberのアプリで配車の予約です。

この話を展開する前に、ご存じない方の為にUberについて説明しておきたいと思います。Uberは米国ではタクシー業界を破壊したディスラプティブ(破壊的)なライドシェアの会社です。日本では規制の関係もあり本来の同社のライドシェア事業はあまり進まず、Uber Eats(ウーバー・イーツ)出前/デリバリー注文サービスの方が有名でご存じの方も多いかと思います。 米国でのUberは、タクシーに代わる移動サービスとして市民権を得ている非常にポピュラーなサービスです。近年アメリカへ行かれた方であればお気づきになられた方も多いかと思いますが、空港の到着ロビーを出ると、タクシーの乗り場以外に、Uberや同業のLyftの専用乗り場が確保されています。

それくらい一般的になっているUberなのですが、この話の主人公のリチャード君、朝学校に遅刻しそうになるたびにUberを呼んで、車が迎えに来るまで、歯磨きや着替えといった登校の準備をして、Uberで優雅に登校するらしいのです。母親としては遅刻なら走っていけばよいのではないかと思うらしいのですが、ジェネレーションX世代(1990年半ばから2010年代前半に生まれた世代)はこのような発想をするようです。話を聞いているとUberを使っている高校生はどうもリチャード君だけではないようなのです。

そのリチャード君が通った高校の2018年の卒業式のこと、校長先生は慣例のスピーチで毎年その年の卒業生の特徴を話すそうです。その年のスピーチでは、「今までうちの高校では必ずシニア生(高校4年生)が生徒用の駐車場のスペースが少なかったと不満を漏らしていたが、今年の卒業生の代からそれがなかった」と話したそうです。 覚えていらっしゃる方も多いかと思うのですが、80年代のオリビア・ニュートンジョン、ジョン・トラボルタらが演じる青春映画の「グリース」を観ても(著者の世代がわかりますね)、当時から高校生が車で学校に通っていました。 私が17歳の時、交換留学生として通っていたアメリカの高校でもそうでしたが、アメリカの高校生は車で通学するのが多いというか、一般的でした。そのため、高校には生徒用の駐車場が用意されているのです。では、何故その年から駐車場について苦情が減ったのか。ここまで書くとお分かりいただけますよね。

今までの既成概念だと自分で車を保有するのが当たり前だったわけですが、毎月のガソリン代、保険代、メンテナンス代等を考えると、トータルコストはUberを使った方が絶対的に安いのです。シェアリング・エコノミーの基本的な考え方です。私の友人によると、イメージとしてはタクシーの料金はハイヤー代の約半分、Uberの料金はタクシー料金の約半分くらいだそうです。 リチャード君の自宅から学校までのUberの料金は4−5ドルくらい。つまり、500円前後で学校へ送り届けてくれるそうです。リチャード君は、高校3年生(アメリカの高校は4年制、3年生はジュニアと呼ぶ)の頃からブロックチェーンのスタートアップと、eコーマースの掛け持ちでインターンをしており、毎月1000ドル(約11万円)くらいの収入があるとのこと。

このエピソードでもわかるように、アメリカの会社は次々とイノベーティブな新しい技術をもたらして、社会を変革し、今までの常識を当てはめるだけでは先をみることができないなと実感した次第です。こういった社会の変化を知ることは株式投資をするにあたっても大切だと思いました。

マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎
(出所:4/19配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)


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