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NYの視点:FRB高官は米労働市場の改善に依然懐疑的


米国の3月雇用統計は良好な結果となった。また、2月JOLT求人件数は1月から予想外に増加し2年ぶり高水準を記録し、本年に入り2カ月間で、61.8万件の求人件数が増加した。一方で、パンデミック下、雇用統計に比べより正確に労働市場の現況を示していると注目される週次新規失業保険申請件数は、期待ほど減少せず、依然不安定。

労働省が発表した最新の週次新規失業保険申請件数(3日まで)は前週比1.6万件増の74.4万件と、前回72.8万件から予想外に2週連続で増加し、2月末以来の高水準となった。4週平均も72.4万件と、3月中旬来の高水準。失業保険継続受給者数(3月26日まで)も373.4万人と、前回375万人から減少したが予想を上回った。半導体不足で、いくつかの自動車生産工場が閉鎖されたことなどが影響した可能性に加え、経済活動の再開状況が各州異なり、不安定となっている。全米で最大規模のカリフォルニア州、ニューヨーク州の経済活動の再開が遅れ、申請件数が増加しており、全体指数を押し上げている。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は3月の雇用統計の改善を歓迎したものの持続的な雇用の増加が必要とし、依然900万人近く失業中だと再度、訴えた。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も、労働市場に多くのたるみ(スラック)が存続し、「実質失業率は9.1%だ」と主張している。3月の雇用統計は100万近くの増加を見せたが、今後、強い伸びが継続できるかが焦点となる。




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