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経常利益はコロナ感染拡大前の水準にほぼ回復【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】


財務省が2日発表した令和2年10~12月期の法人企業統計では、金融・保険業を除く全産業、全規模で前年比4.5%減収、同0.7%経常減益だった。減少幅は、7~9月期の同11.5%減収、同28.4%経常減益からいずれも改善した。経済活動の再開に伴い、経常利益は新型コロナウイルス感染拡大前の水準にほぼ回復した。

産業別には、非製造業が同11.2%経常減益であったのに対して、製造業が同21.9%経常増益となった。非製造業のうち、建設業が同41.4%増、卸売業・小売業が同30.4%増だった一方、外出自粛による旅客需要の低迷で運輸業・郵便業が3四半期連続での赤字となった。製造業では、鉄鋼が同196.3%増と好調で、自動車などの輸送用機器も増益に転じた。設備投資は同4.8%減で、3四半期連続のマイナスとなった。製造業は同8.5%減、非製造業は同2.6%減だった。

自己資本比率は2019年12月末の43.7%から2020年12月末の42.5%となった。前四半期末から0.6%ポイント、前年末から1.2%ポイントの低下である。また、資本金10億円以上の企業の自己資本比率は43.3%と、1,000万円~1億円の企業(41.2%)の自己資本比率を2.1%ポイント上回っている。

(株式会社フィスコ 中村孝也)

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