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NYの視点:バイデン大統領の追加経済対策を巡りインフレ圧力や労働市場への警告も


民主党は今後2週間内に、共和党の支持なくバイデン大統領が提示した1.9兆ドル規模の経済対策案を成立させる計画を進めている。1400ドル規模の国民への直接現金支給や週次失業保険の優遇措置を9月まで延長すること、ワクチンや新型コロナウイルス試験などに加え、インフラ改革、環境問題への対処などが含まれる。

これに対し、クリントン政権で財務長官、その後、オバマ政権で国家経済会議議長を務めバイデン大統領にもアドバイスしているサマーズ氏を含め何人かのエコノミストは、バイデン大統領が提示している大規模追加経済対策に関し、インフレリスクを生む可能性を警告している。サマーズ氏は通常のリセッション時び水準を上回り第2次世界大戦水準規模の経済対策により今まで見たことのないインフレ圧力になり得ると、警告している。

一方、バイデン政権のイエレン財務長官はインフレリスクに対して「FRBにはインフレに対処する手段がある」と反論。「来年にも労働市場が最大雇用に回復する」と、バイデン大統領が提案した1.9兆ドルの追加経済対策の成立の必要性を主張した。

労働省によると、パンデミック開始以降、長期の失業率が歴史的にもピークに近く、失業者のほぼ4割が6カ月以上失業しているほか、ほぼ昨年の2月に比べ労働者数が900万人近く減少している。

労働市場の実態:
長期失業率は歴史的な高水準、全失業者の約4割が長期失業
昨年の2月に比べ労働者数が900万人近く減少
財政支援がなければ失業率は今後数年高止まり

支援規模と同様、提案に含まれる可能性もある最低賃金引き上げに関しても見解が分かれる。超党派機関である米議会予算局(CBO)の算出によるとバイデン大統領が提案している最低賃金の15ドルへの引き上げが実施された場合、90万人が貧困から脱出することが可能となるが、2025年までに140万の雇用が喪失することになると見ている。同時に、今後10年間で財政赤字も540億ドル拡大する見通しを示した。

民主党が果たして、反対を押し切り、大規模な財政措置を成立させるかどうかに注目が集まる。


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