海上法執行機関の日米中比較【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】
2018年の組織改編で、中国海警は中央軍事員会の指揮を受ける「武装警察」の隷下となった。中国国防法において、中国人民解放軍、武装警察及び民兵は「中国の武装力」と規定されており、中国海警は軍と完全に一体化した。一方、海上保安庁は国土交通省に、沿岸警備隊は国土安全保障省に所属しており、少なくとも平時は軍とは切り離されている。もっとも沿岸警備隊は、第5の軍種とされており、大統領の命令により、海軍の一部として運用される。海上保安庁については、自衛隊法において内閣総理大臣の指示で防衛大臣の統制を受けるとの規定こそあるものの、海上保安庁法において「軍隊の機能を営むものと解してはならない」と、一体化をかたくなに拒否する規定が存在する。「有事でも平時でもない状態」いわゆるグレーゾーン事態が増加する昨今の国際情勢では、指揮系統に結節が無い方が効率的な活動ができる。更に装備に関しても、同一指揮系統にある方が共通化を図りやすい。この点、中国海警は最も効率的な組織であり、沿岸警備隊はその次、海上保安庁が最も効率が悪い組織と言える。
規定された任務を比較した場合、注目すべきは次の2点である。第1に、中国海警は「中国の領海等の他、中国の管轄下にある海域において、中国権益を守る」と規定されている。中国の管轄下にある海域の範囲があいまいであり、東シナ海や南シナ海だけではなく、日本海、太平洋さらにはインド洋にまでその範囲を拡大する危惧がある。次に海上保安庁の任務に、領海を守るという明確な規定がないことである。海上保安庁法には、「警戒監視」という業務が規定されているものの、領海を侵犯する外国船を阻止するという規定が無い。1999年のいわゆる能登半島沖不審船事件において、海上保安庁巡視船が警告射撃を行った法的根拠は、海上保安庁法でなく、漁業法に規定される「立ち入り検査忌避罪の疑い」であった。尖閣諸島の領海内の中国漁船に対しては、漁業法に基づく立ち入り検査が可能であるが、領海内の退去要請を拒否する中国海警に対し、強制手段をとる法的根拠がない。尖閣周辺において、厳しい環境下で活動する海上保安庁職員の士気を高揚させるためにも、明確な任務を付与することは政治の責任であろう。
海上保安庁によると、2019年現在の1,000トン以上の巡視船等の保有数は、中国海警が145隻であるのに対し、海上保安庁が67隻、沿岸警備隊が約40隻である。装備に関しては、対艦ミサイルや魚雷のみならずデータリンクを保有する沿岸警備隊が最も重武装であり、1万トン以上、76mm砲を装備する中国海警がこれに次ぐ。質の沿岸警備隊、量の中国海警、そして両者に大きく離れているのが海上保安庁である。
最後に注目されている武器使用規定であるが、警告後、可能な限り被害を局限する考え方は3組織に共通している。日米の軍や法執行機関は、行動する船舶等に対し、それぞれ法律に基づき、「武器使用基準」又は「交戦基準(ROE : Rules Of Engagement)」を示している。これは、武器の使用に関し、情勢に応じた政府としての基準を示したものである。事態のエスカレーションを防止するとともに、武器を使用した場合の、現場指揮官の責任を棄却することを目的とするものである。
もっとも法の規定がほぼ同じであったとしても、実際の武器の使用については、忌諱感の高い日本と比較すると、米中の武器使用基準のハードルは相当程度低いと見るべきであろう。1987年には米国イージス艦がイラン民間機を誤射、290名が死亡する事件が生起した。米国は誤射を認め、犠牲者に賠償金を支払ったが、艦長に対しては、ROE違反は認められないと認定、無罪としている。
中国海警草案に関し、マスコミの関心は武器使用に集まっているが、それよりも重要なことは、中央軍事委員会の隷下に入ったことであろう。この背景には、2016年に尖閣周辺において、中国漁船が貨物船と衝突沈没した事件が影響していると考えられる。海上保安庁の巡視船が6名の乗員を救助したのにも関わらず、同海域にいた中国海警は誰一人として救助できなかった。中国のネット上には、尖閣周辺を実効的にコントロールしているのは日本の海上保安庁でないかとの書き込みが見られたという。海警に対する指揮を強化するために、あえて国際的潮流に反する軍との一体化を進めたと考えられる。更に、国際的に軍の使用には強い抵抗のある環境下で、中国海警は極めて使い勝手の良い組織である。
今回の草案においては「中国の管轄権のある海域」を任務の範囲としており、今後東シナ海や南シナ海のみならず、太平洋や日本海において、第二の海軍として活動が活発化してくる可能性がある。中国海警を、日米の法執行機関と同列に評価することは危険である。中国による、徐々に影響力を拡大してくる「サラミスライス戦略」に対抗すべく、日本周辺海域における海警船舶の活動を十分に警戒するとともに、同船の動を制約するための国際的圧力を強化する枠組みの構築を図っていく必要がある。
サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄
防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。
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