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NYの視点:米7月JOLT求人件数は急増も採用は急減、労働市場の回復依然脆弱


米労働省が発表した7月JOLT求人件数は661.8万件と、予想600.0万件も上回りパンデミックで経済が封鎖する前、2月来で最大を記録した。6月600.1万件から61.7万件の増加。2015年来で最大の伸びを記録した6月に続き大きな伸びとなった。2カ月の増加幅としては過去最大となる。

求人件数は24カ月連続で失業者数を上回ったのち、4月に反転。4月の求人件数は失業者数1800万下回り、その差は過去最大を記録した。その後は、経済活動の再開に従い差が縮小傾向にある。7月の求人件数は9700万件、失業者数を下回った。少しづつ改善基調にある。一方で、採用(hiring)は6月の700万人近くから予想外に118.3万人減の5787万人にとどまった。採用の減少者数は過去最大を記録した。採用の減少は主に、食品、ホテルなどサービス業、ヘルスケアとなっている。一方で公務員、不動産関連などの採用は増えた。

解雇(Layoffs/discharges)は170万人まで減少、解雇率は1.2%に低下した。パンデミックによる経済活動が封鎖された3月のピーク時では1148.9万人、解雇率7.6%まで達した。自発的な退職者数は6月の269.5万人から290万人まで増加した。退職率は1.9%から2.1%に上昇。国民が労働市場にさらに自信を持ったことが明らかになった。

結果は米雇用統計と同様に労働市場の順調な回復を裏付けた。ただ、政府のセンサス関連のパートタイムの雇用を除き、採用が過去最大の減少を示したこと、長期失業者の増加など引き続き労働市場の回復には疑問が残る。8月長期失業率(15週以上)は60.1 %と、7月48.8%、2019年34.4%から急伸している。

もし、米国政府の追加財政支援がなければ、企業は第2弾雇用削減計画に踏み切る可能性も今後の懸念材料となる。

■雇用たるみダッシュボード

◎金融危機前に比べ状態が改善         パンデミック:  金融危機水準と比較
8月雇用者数(Nonfirm payrolls):+137.1万人(7月+173.4万人)   +16.18万人
7月求人率(Job openings rate):4.5%(6月4.2%、昨年4.6% )    4.4%: 3%
7月採用率(Hiring rate):4.1%(6月5.1%、昨年4.0%)      3.8%
7月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(6月1.4%、昨年1.2%) 1.2%
7月退職率(Quits rate):2.1%(6月1.9%、昨年2.4%)     2.3%: 2.1%

◎金融危機前に比べ状態悪化
8月失業率(Unemploynent rate):8.4%(7月9.8%)        5%
8月広義の失業率(U-6):14.2%(7月16.5%)                8.8%
8月労働参加率:61.7%(7月61.4%)                      66.1%
8月長期失業率(15週以上):60.1 %(7月48.8%、2019年34.4%)      19.1%





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