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NYの視点:景気回復には第4弾財政策が不可欠


米国政府が現在実施している2兆ドル規模の第3弾新型コロナウイルス対策(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security)法では各世帯への現金給付や失業保険の拡充、民間企業支援などが盛り込まれた。失業保険の拡充については、各州からの給付に追加して1週間当たり600ドル特別に支給されてきたが、この優遇措置は今月末で失効する。さらに、7月半ばには支払い猶予令も失効する。

しかし、ウイルスパンデミックは収束する兆候は見られず、フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州では感染拡大の一途にある。このため、雇用や景気回復には第4弾財政策が不可欠となる。

現状では、一部の低賃金の失業者は、仕事に復帰するよりも、特別手当を受けていたほうが、賃金が高いため、仕事の復帰を躊躇する傾向が見られる。このため、ムニューシン米財務長官は失業保険の拡充においては週600ドルの特別手当を延長せず、代わりに、失業者が仕事に復帰することを推進する案が提示される可能性が強い。

また、支払い猶予令が失効した場合、今回のパンデミックによる失業者の増加で、家賃や住宅ローン金利が払えずに立ち退きにあう確率の高いある市民は2800万人にのぼると見られている。2008年金融危機時の1000万人のほぼ3倍にあたる。専門家は、立ち退き危機への対応として全国レベルの支払い猶予策が必要となるとともに市民が家に留まることができるよう金融支援も必要になると主張している。

ムニューシン米財務長官は7月中にも何らかの追加財政支援の決定を見込んでいるとしているが、消費者の信頼回復にも月内の決定が待たれる。






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