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減産延長するも原油相場の上値は重いだろう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)


皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。「OPECプラス」は6月6日、原油安を回避するために大幅減産延長を決めました。原油相場は今後どのようになっていくのでしょうか。今回は、原油相場についてのレポートを紹介します。

陳さんは、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の会合について、『原油安を回避すべく6月6日(6月9~10日予定を前倒し)にテレビ会議を開き、大幅減産延長を決めた。6月末が期限となっていた日量970万バレルの協調減産を1カ月延長し、7月末までとした』と伝えています。

『OPECの盟主サウジアラビアと非加盟のロシアが事前協議で大幅減産の延長で一致し、6日の会合では他の参加国もこれに合意した』とのことで、『イラクなど一部の国の減産が不十分だったとして、7月以降にその分の追加減産を求めた』と説明しています。

声明では、『「全ての主要産油国に石油市場の安定化に貢献するよう求める」と呼び掛け、世界最大の産油国である米国のほか、カナダやノルウェーなど議論に参加していない国にも産油量抑制の継続を求めた』とのこと。

なお、『国営石油会社の経営難に見舞われているメキシコは今回の協調減産への不参加を決めた』ため、実際の協調減産規模は『現状の日量970万バレルを10万バレル下回る同960万バレルとなる見通し』と伝えています。次回会合は11月30日~12月1日に開かれるもようです。

続けて、陳さんは『世界各国でロックダウン(都市封鎖)解除の動きが強まる中、燃料用需要の回復が期待され、「OPECプラス」が減産延長を決定したことは市場に素直に好感された』と分析。NY原油について『反発し9日には一時40.44ドルの高値をつけた』と述べています。

一方で、『サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は8日、サウジに加えクウェートとアラブ首長国連邦(UAE)は日量118万バレルの自主的に実施している追加減産を7月以降は実施しないと表明』したことに言及し、また、『米国では原油価格の上昇を受けてシェールオイルの生産が再開した』と伝えています。陳さんは『早くも不協和音が聞こえてきたようで、40ドルという節目では利益確定売りが先行したようだ』と考察しています。

NY原油7月限については、『3月9日に生じたギャップ(37.64~41.88ドル)にトライする上昇となった』として、『ただギャップ上限をブレイクできずに反落となった』と指摘しています。また、『年初高値(62.95ドル)と年初安値(17.27ドル)の半値が40.11ドルであることを考えると、短期的に高値達成感が出てきそうだ。NY原油は調整場面に入る可能性がある』と示唆しています。予想レンジは『37~42ドル』としています。

今後については、『「需要回復の度合い」、「米国の在庫状況」、「減産が忠実に履行されているかどうか」が市場の関心事項となろう』との見解を述べています。『8月以降の減産方針は、各国の取り組みを確認する監視委員会を12月まで毎月開き、原油市場の状況も点検しつつ随時決定するとみられる』とのことです。次回監視委は6月18日に開催されるようです。

最後に、『解除とはいえ世界各国の往来が制限されている以上、航空機需要の回復が期待できない』として、『「需要回復の度合い」は緩やかなものにとどまろう』と考察しています。また、『需給バランスが均衡を取り戻したところで、過剰在庫は十数億バレル積み上がっていると見られる。この過剰在庫が削減されない限り、原油相場の上昇は難しいだろう』と示唆しています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月10日付「減産延長するも原油相場の上値は重いだろう」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 花田浩菜




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