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米国雇用統計:4月の振り返りと5月のポイント「失業率は4月からさらなる悪化予想」 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)


こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーター馬渕磨理子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。6月5日発表の米雇用統計に向けてレポートをご紹介します。その前に前回の4月雇用統計を振り返ってみましょう。

4月の米就業数は前月比2,050万人減となり、減少幅としては過去最大を記録しました。市場では2,200万人減と予想されていましたが、市場予想に比べ減少幅は小さい結果となりました。ほぼ全ての業種で雇用が失われた形でしたが、特にサービス業でのレイオフ(一時解雇)が急拡大したようです。

失業率は14.7%となりました。前月から一気に10.3ポイントの悪化で、1948年の統計開始以来最悪の数字を記録しました。レポートでは『1,800万人あまりが一時的レイオフ、一時的でない失業者数は250万人程度と楽観的見方も』聞かれると伝えています。時間給賃金については前月比+0.5%、前年比+7.9%と上昇しましたが、『低賃金労働者の失業が増加したことが全体的な時間給賃金の上昇に寄与』した可能性を指摘しています。

5月の雇用統計は就業者数800万人減、失業率19.6%、時間給賃金は前月比+0.9%、前年比+8.5%が予想されていますが、いったいどのような内容になるのでしょうか。

レポートでは『4月の雇用統計で見られた一時的レイオフや、一時的でない失業者数がどの程度改善しているか注目されます』と伝えています。

また、『4月の小売売上高や4月の個人消費支出が過去最大の下落率まで低下するなど、労働市場の悪化がGDPの約7割を占める個人消費に影響が及んでおり、4-6月期GDPを占う上でサービス業を中心にどの程度の雇用改善が見られるか、4月5月の雇用統計で米労働市場は大底を打ったという安心感が見られるか』を見ていく必要がありそうです。

米長期国債と今回の雇用統計の関係については、『米10年債利回りは0.6%台を中心に低位安定した水準で推移している中、労働市場及び米国経済の底入れから回復に向かう道筋を描くことができるきっかけになるか』に注目と伝えています。

また、『ドル円は直近2週間余り、107円台を中心にした小動きを続けており、107円台前半から108円台前半での推移している流れに終止符を打ち、上下いずれかに振れるきっかけとなるか、為替市場の反応に注意が必要です』と考察しており、雇用統計の前後のドル円の動きは注目したいところです。

失業率がもし市場予想どおり19.6%となれば、約5人に1人が職を失うことになります。トランプ政権では中小企業向け給与保障プログラムを通じた失業給付金拡充などの施策が行われており楽観的な見方はあるものの、雇用情勢が深刻な状況にあるということにはちがいないのではないか、とわたしは考えてしまいますが、みなさんはどう感じますでしょうか。


上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「米国雇用統計」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子




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