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NYの視点:NY原油価格当面低迷か、経済活動再開まで


NY原油市場は20日、コンタンゴと言われる手法の直近期日の先物を売って将来の期日の先物を買うという取引が目立った。5月限は1バレル=マイナス37.6ドルと、歴史上初めてのマイナス圏で引けた。5月限は米国東部時間21日午後2時30分に期限を迎えるため、取引最終日となることが一因となったほか、供給過剰に加えて新型ウイルスによる経済封鎖で需要がほぼなく、価値もほぼなくなったことが大きな売り圧力となった。現在、供給過剰で、石油貯蔵庫の余裕なく、多くの先物保有者が期日での現物引き渡しを回避する動きを加速させたと考えられる。

ただ、今後、経済が再開すれば経済封鎖時に比べ需要が増えることは間違いない。このため、6月以降の限月の原油価格は20ドル台を保っている。手前の期日の価格と将来の価格の差は2009年2月以来で最大に拡大した。例え速やかなV字回復とならないにしても、徐々に経済が回復するにつれ少なくとも現状より需要が改善することは明らかだ。

今後、経済が再開され需要が増加することを見込み5月の現物引き渡しを6月に繰り延べた動きも見られる。ただ、新型ウイルスの収束に時間がかかり回復が遅れた場合、6月限の売りが加速するリスクは残る。6月限の最終取引日は5月19日。今月と同じ状況が続けば、6月限も価格が一桁あるいはマイナスに落ち込むリスクは十分ある。

サウジアラビアとロシアの一連の行動が、米国のシェールビジネスを崩壊させる目的が根底にあるとの憶測もある。




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