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NYの視点:米8月ISM製造業予想外に3年ぶり活動縮小へ、リセッション懸念強まる


米供給管理協会(ISM)が発表した8月ISM製造業景況指数は49.1と上昇予想に反して7月51.2から低下し、2016年8月以降3年ぶりの50割れで活動の縮小を示した。50は活動の拡大と縮小の境目を示す。製造業活動は35カ月連続で拡大したのち縮小に転じた。ユーロ圏や中国に続く。今後、製造業関連の雇用などにも一段と影響を与えると見られる。

回答者は米中貿易摩擦に対して、より懸念を表明。サプライチェーンが製造拠点を中国から移しているとの指摘もあった。指数10項目のうち9項目が50を割り込み活動の縮小を示した。内訳の中でも最も重要な項目となる新規受注は50.6から47.2に落ち込んだ。43カ月連続で活動拡大したのち、顧客の需要は2015年12月以来初めての縮小に転じた。輸出は43.3と、2009年4月以降、リセッション以来の低水準に落ち込んだ。雇用も51.7から47.4と、2016年9月来の50割れ。34カ月連続で活動拡大後、縮小に転じた。
仕入れ価格は3カ月連続の50割れとなった。

■米8月ISM製造業景況指数

景気指数:49.1(7月:51.2)
仕入れ価格:46.0(45.1)
生産:49.5(50.8)
新規受注:47.2(50.8)
受注残:46.3(43.1)
入荷遅延:51.4(53.3)
在庫:49.9(49.5)
顧客在庫:44.9(45.7)
雇用:47.4(51.7)
輸出:43.3(48.1)
輸入:46.0(47.0)

関税の影響が表面化しつつある。製造業が米国経済に占める割合は小さい。しかし、いずれ米国経済が景気後退入りするとの脅威も強まった。ウォールストリートジャーナル紙の中小企業を対象とした調査では、経済に関する見通しで今後12カ月の間に経済が悪化すると考えているのは全体の40%と、7月の29%、昨年の23%から上昇した。米商務省の国内総生産(GDP)と類似したモデルを使用しているため市場で定評があるアトランタ連銀の第3四半期の国内総生産(GDP)予想は従来の2.04%成長から1.68%成長に下方修正された。市場エコノミスト予想平均1.84%も下回る。

ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁やローゼングレン米ボストン連銀総裁は7月連邦公開市場委員会(FOMC)で決定した利下げに反対票を投じた。最新8月の製造業指標の活動縮小を受けて、9月FOMCでの金融政策判断を転換するかどうかにも注目したい。



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