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NYの視点:世界経済の見通しに悲観的見方広がる


米政府機関閉鎖が1カ月超の長期にわたっている。解除される兆しもまだ見られない。スイスのダボスでは22日から25日まで、恒例の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催されている。米国はトランプ大統領、ムニューシン財務長官をふくみチームの出席を政府機関閉鎖の影響で、取りやめた。英国のメイ首相も、離脱問題解決を最優先にし、出席を見合わせた。昨年は参加したフランスのマクロン大統領も欠席するなど、政治関係者は出席を見送る動きが多々見られた。ムニューシン米財務長官は昨年のダボス会合で、「米国経済にとりドル安が良い」と発言し、ドルの急落につながった。一方で、例年のように著名投資家の発言に注目が集まる。

会合では、多くの著名投資家による景気悪化への警告が目立つ。ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるダリオ氏は会合で、次の世界経済の不況が最大の脅威だと述べた。金融政策に限界があると指摘。また、米国経済は2020年にも景気後退に陥る大きなリスクがあると警告し、やがてFRBが利下げを強いられる可能性を指摘した。米国だけでなく、欧州、中国、日本など世界的な成長悪化を警告。国際通貨基金(IMF)は世界経済の成長見通しを2019年3.5%、2020年3.6%と、前回10月の予測3.7%からそれぞれ引き下げた。

実際、全米不動産業者協会(NAR)が発表した12月中古住宅販売件数は499万戸と、予想を下回り3年ぶり最低となった。中国の2018年の国内総生産(GDP)経済も6.6%成長と、1990年来の低い伸びに落ち込んだ。

米中貿易協議にもリスクが存続。米国が中国通信機器大手、ファーウェイの副会長兼最高財務責任者(CFO)の身柄引き渡しをカナダに正式要請する方針だとの報道を受けて、中国外務省が「もし、米国がファーウェィのCFO身柄引き渡しを要請した場合、重大な問題となる」と警告。楽観視されていた貿易協議の進展も覆されるリスクが高まる。第2次米朝首脳会談にも影響を及ぼしかねない。

●世界経済への悲観的要因
・米政府機関閉鎖32日目、解除の兆しなし
・IMFが世界経済の成長見通しを引き下げ、2019年3.5%(10月3.7%)、2020年3.6%(10月3.7%)
・ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるダリオ氏「米国経済は2020年にも景気後退に陥る大きなリスク」「次の世界経済の悪化が最大の懸念に、金融政策が限定的」
・英国の欧州連合(EU)離脱への不透明感
・米中貿易協議
・2018年の中国国内総生産:+6.6%、1990年来の低水準
・米中古住宅販売3年ぶり低水準



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