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NYの視点:ベージュブック、企業は労働不足やコストの上昇、貿易策の不透明性を指摘


米連邦準備制度理事会(FRB)は次回11月7−8日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)の材料となる米地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。10月15日以前の情報がもとになる。

全般的な経済活動は緩慢ないし、緩やかなペースでの拡大が継続したことが明らかになった。また、物価や賃金も緩慢・緩やかなペースで上昇したと指摘された。一方で、貿易政策の不透明感、関税の影響や労働不足がリスク要因または、コストの上昇につながる可能性が指摘されている。関税の影響で新車の価格高騰も警戒されている。FRBは11月の会合で政策を据え置く見込み。

企業は労働不足への対処に依然躊躇している可能性がある。賃金の高騰は見られず。「緩慢、またはゆるやかな上昇」にとどまり、企業は今後6カ月、引き続き同ペースでの上昇を見込んでいる。失業率は3.7%と、ほぼ50年ぶりの低水準。しかし、賃金やインフレは依然抑制されている。賃金の伸びは前年比+2.8%と、過去数年の水準に一致した。

いくつかの地区は貿易や労働不足を巡り、企業が原材料費や出荷コストの上昇を示唆。製造業は関税の影響で価格を引き上げ。小売りや製造業が関税や貿易の不透明性でコストの上昇を懸念していることも明らかになった。労働者不足が成長を抑制する可能性も指摘された。

FRB高官や市場エコノミストのほとんどが米国の2018年の経済が3%成長を達成するが本年がピークになると見ている。減税の効力が薄まるにつれて、2019年、2020年には成長ペースが徐々に鈍化していくと見られている。米中の貿易問題の行方や経済指標次第では、12月の利上げ以降、来年の利上げ軌道がどちらにも変更される可能性もある。

●米地区連銀経済報告(ベージュブック)(10月15日まで)要点
・経済
「緩慢ないし、緩やかなペースで拡大が継続」

・消費者物価
「緩慢・緩やかなペースで上昇」

・賃金
「緩慢・緩やかなペースで上昇」

・雇用
「労働不足が広範、賃金引上げへ」
「全米で、金融、エンジニア、プロフェッショナル、建設、製造業で高技術者の労働者が不足」

・小売り
「関税でコスト上昇を懸念」

・製造業
「コストの上昇や貿易の不透明性指摘」
「原材料関税の影響で価格引き上げ」

・消費
「緩やかなペースで拡大」



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