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NYの視点:円売り持ち減:今週の注目: 米中貿易問題、NAFTA、米雇用統計、ISM


短期投機家・投資家ポジションで円の売り持ち高は前々週から減少した。また、ユーロの売り持ちは先々週からさらに増加した。

米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)協議は期待に反して難航し、31日中に合意成立はできなかった。今週5日に協議再開が予定されており、果たして3カ国合意にこぎつけられるかどうかに焦点が集まる。また、米中貿易摩擦もさらに深刻化する様相を見せている。

米国と中国は8月23日に、相互に160億ドル相当の商品に高関税を発動。次官級貿易協議を実施したものの、トランプ大統領が示唆したとおり、大きな前進は見られなかった。9月6日には、トランプ政権はさらに2000億ドル規模の中国製品に追加関税発動する計画。トランプ大統領はさらに、全ての中国輸入品に関税を賦課することも辞さない構えで、引き続き中国への圧力を強化する姿勢をくずしていない。中国輸入全品への関税も視野に入れている。一方、中国も報復措置を講じる見通し。トランプ大統領は中国が報復措置の一環として人民元を操作していると批判しており、人民元動向にも注目が集まる。

また、米国議会が再開される。歳出案を可決する必要がある。9月30日には予算案の期限を控えており、承認がなければ、政府機関閉鎖の危機に直面することになる。トランプ大統領は度々、メキシコ壁の予算が捻出されなければ、政府機関を閉鎖すると警告している。

米国の金融政策で、9月の利上げは確実視されているが、金融政策の鍵を握る最新8月の雇用統計が発表されるほか、全米の製造業やサービス業動向を示すISM指数も発表予定で注目が集まる。雇用統計では、賃金動向に注目。さらに、通商論争が緊迫化する中、米国商務省は7月貿易収支を発表する。赤字は6月から拡大が予想されている。

アトランタ連銀の30日時点の7−9月期GDP予想は+4.1%。4−6月期の+4.2%に続き4%台の成長が予想されている。リスクが多々ある中、米国経済は順調に成長を拡大しており、ドル高の流れは続くと見る。

■今週の主な注目イベント

●米国
3日:レーバーデー祭日
4日:8月ISM製造行指数:予想57.6(7月58.1)、
議会再開、歳出案を可決する必要
5日:7月貿易収支:予想-485憶ドル(6月-463憶ドル)、
カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、
ウィリアムズ米NY連銀総裁
6日:トランプ政権、中国2000億ドル商品に関税発動、
8月ISM非製造業指数:予想56.7(7月55.7)
4-6月期非農業部門労働生産性:予想2.9%、前期+2.9%、
単位労働費用:予想-0.9%(前期-0.9%)、
ウィリアムズ米NY連銀総裁が講演
7日:8月雇用統計:失業率予想3.8%(7月3.9%)、
非農業部門雇用者数:予想+18.9万人(7月+15.7万人)
平均時給:予想前月比+0.2%(7月+0.3%)、
前年比+2.7%(7月+2.7%)
ローゼングレン・ボストン連銀総裁、
メスター・クリーブランド連銀総裁が討論会を開催、
カプラン米ダラス連銀総裁がエネルギーと経済に関する会合に参加
8日:ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演

●欧州
3日:ユーロ圏・8月製造業PMI確定値: 予想:54.6(速報54.6)

●英国
4日:カーニー英国中央銀行総裁がインフレ報告に関する証言
英国8月マーキットPMI製造業:予想54.9(7月55.8)

●地政学的リスク

7日:トルコのエルドガン大統領、露のプーチン大統領、イランのロハに大統領がシリアに関して協議

トルコ
北朝鮮
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン




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