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NYの視点:ドル買い再燃、FOMC年4回の利上げの可能性を探る


2017年に続き、2018年もドル弱気派が少なくない。米国政府がドル安政策をとっているとの思惑が根強いほか、欧州や英国など他国経済の成長ペースが加速し米国を上回り緩和策解除に拍車がかかるとの見方から、投資資金は米国よりも欧州に向かうとの見方が背景となる。

しかし、ここにきて、欧州や英国のインフレや経済指標が冴えず、エコノミストは経済成長に懐疑的な見方に転じ始めた。ECBの緩和策の出口戦略の実施や、英国中銀の利上げ観測を期待したユーロ買いやポンド買いが後退しつつある。英国中央銀行の5月の利上げを従来予想してきた英国の大手銀、HSBCは年内の利上げ予想を撤回。欧州中央銀行(ECB)も今月の定例理事会で、量的緩和(QE)の行方を協議せず、慎重な姿勢を維持した。日本銀行の黒田総裁も物価目標達成は程遠く、当面異例な緩和策が必要との方針を再表明している。

逆に、米国経済の成長が順調でインフレも上昇の兆しを見せ、ドル買いが再燃しつつある。米商務省が発表した1-3月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.3%となった。10-12月期の+2.9%からは鈍化したものの、予想+2.0%を上回った。さらに、金融危機以降、1−3月期の成長はその年で最低となる傾向にある。このため、今後の成長加速が期待されている。米商務省と類似したモデルを使用しているとされ度々市場で注目されるアトランタ連銀の4−6月期GDPの成長見通しは4.1%。

また、1-3月期の雇用コスト指数(ECI)も前期比+0.8%と、予想+0.7%を上回り1年ぶりの大幅な伸びを記録しており、賃金の伸びも順調。米4月雇用統計で、賃金の伸びが市場エコノミスト予想に一致し、3月と同様の2.7%と3%近くの伸びを示すとインフレ加速の思惑につながる。

米連邦準備制度理事会(FRB)は5月1日、2日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を予定している。この会合では、政策金利が据え置かれる見込み。しかし、その次の6月会合では追加利上げがほぼ確実視されている。米4月雇用統計で、労働市場のひっ迫が確認されると、2018年4回の利上げを織り込みにいく。




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