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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆アロケーション派動き世界同時株安か◆



〇米FOMC後の金利低下に注目〇

月末攻防は、もっと綱引きになると思っていたが、オーバーウェ イトの株式を売り、債券を買わなければならない「アロケーション派」が一斉に動いた公算がある(29日付虎視眈々参照)。日経平均で見ると、月曜日までは1月SQ値23723円を意識した動きだったが、割り込み始めると下げ足を強めた。短期筋がドテン売りに回って、下げが加速した印象だ(一応、日銀は今月6回目、735億 円ETF購入したが、焼け石に水だったようだ)。

日経平均1.43%安に対し、アジア株がフィリピン1.64%安、インドネシア1.57%安、台湾1.29%安、韓国1.17%安、香港1.09%安。 欧州はギリシャ2.08%安が突出し、英1.09%安、独0.95%安。 米国はNYダウ1.37%安、ナスダック0.86%安、最も下落したのは 2.41%安のWTI原油相場。どこの年金も持っていないであろうロシア株はプラス圏推移だったが、引けで売られ0.05%安。

通常であれば、米債金利は低下するはずだが、昨日は10年債利回りが一時2.733%(約4年ぶり水準)、30年債が2.989%(8か月ぶり)。 2-10年債利回り差は60.10bpに拡大(利回り曲線のスティーブ化)。「フラット派」が手仕舞いを余儀なくされているものと思われる。 債券買いは、トランプ一般教書演説、明日のFOMCを見てからとなる公算があろう。期待通り、金利が低下すれば、株買いの材料となる 可能性がある。

昨日は「iPhoneX生産半減、1~3月計画比、高価格で不振」との 日経記事が売り加速要因となった(前日比TOPIX1.19%安に対し、 電気機器は1.80%安。前週比では下落率トップの5.17%安)。 引け後、決算発表した村田製作所の藤田副会長は「私どもの認識で は、そんなに大きな数字ではない。業績予想にはそういうことも織 り込んでいる」。メディアにはしばしばあるが、フェイクではないが、 飛ばし記事の印象。裏取り不足と言うか、思い込み記事と言うか・・・

もう一つ、「トランプ氏、司法妨害の懸念強まる、FBI副長官辞任」の報道は間違いの公算が高い。29日、米下院情報特別委員会は「ロシア政府による米大統領選干渉疑惑に関する司法省の捜査に反トランプ偏向が見られるとする機密文書」の公表を可決した。同文書では、大統領選中、オバマ政権下の政府機関がトランプ陣営の盗聴を行っていたこと、クリントン陣営によるトランプのロシア疑惑デッチ上げの構図が明らかになる公算があるとの見方が出ている。トランプ大統領はワシントン改革(クリントン大使館と揶揄される国務省の予算3割カットなど。外交の柱は安全保障で、国防総省が担う)に取り組む。その動向やウォーターゲート(この時は盗聴は民間団体)を上回る打撃を米民主党が受ける可能性があり、中間選挙に影響すると見られている。大統領が公開するかどうかは5日間以内。

一般教書演説やFOMCが立て直しのキッカケを与えるかどうかは分から ないが、需給要因の調整であれば、ある程度の時間で立ち直り、ボックス圏相場に移行すると考えられる。引き続き、108円台で踏ん張っているドル円相場を睨みながらの攻防になろう。


以上

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/1/31号)



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